深夜業の制限
深夜業の制限
- 育児や介護をする従業員が申し出たときは、深夜労働を制限していますか?
- 一定の要件をクリアする従業員が申し出たときは、育児介護休業法によって、深夜労働をさせることが禁止されています。
【解説】
育児介護休業法(第19条第1項)によって、次のように規定されています。
「事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合においては、午後10時から午前5時までの間において労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。」
小学校に入学する前の子を養育する従業員は、会社に対して、深夜の時間帯(午後10時から午前5時まで)に労働しないことを請求できることが定められています。
要するに、小学校に入学する前の子がいる従業員は、会社に「深夜労働はしません」と申し出ることができて、会社は事業の正常な運営を妨げる場合でない限り、応じないといけません。女性従業員、男性従業員ともに利用できます。
また、育児介護休業法(第20条第1項)によって、次のように規定されています。
「前条第1項・・・の規定は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について準用する。この場合において、同条第1項中「当該子を養育する」とあるのは「当該対象家族を介護する」と・・・読み替えるものとする。」
要介護状態の家族がいる従業員も同様に、深夜労働をしないよう請求できることが定められています。
ただし、次の者については、請求を拒否できます。育児をする従業員、介護をする従業員ともに共通です。
- 入社して1年未満の者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
- 16歳以上の同居の家族が、深夜に子を保育できる、又は深夜に対象家族を介護できる者
- 所定労働時間の全部が深夜の者
育児介護休業に関連する制度の適用を除外する場合は、労使協定の締結が条件になっている制度がありますが、深夜労働の制限については、労使協定の締結は条件になっていません。就業規則、育児介護休業規程に適用を除外することを規定していれば、適用を除外できます。
これらに該当しない場合は、パートタイマー、アルバイト、嘱託従業員等であっても、深夜労働をしないよう請求できます。
なお、期間を定めて雇用した従業員については、適用を除外することが認められていませんので、請求してきたときは応じる必要があります。
育児をする従業員が深夜労働の制限を請求できる期間は、上の規定のとおり、育児介護休業法で「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」が対象とされていますので、子が小学校に入学するまでです。
一方、介護をする従業員が深夜労働の制限を請求できる期間については、特に規定されていません。「要介護状態にある対象家族を介護する労働者」が対象とされていますので、要介護状態の家族がいる間はずっと請求できます。
そして、「事業の正常な運営を妨げる場合」は請求を拒否できますが、「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するかどうかは、その従業員が担当する業務の内容、業務の繁閑、代替要員の配置の難易等の事情を考慮して判断することになっています。
また、深夜労働の制限を請求できるのは、「小学校に入学する前の子を養育する従業員」、「要介護状態の家族がいる従業員」ですので、請求してきた従業員に対して、小学校に入学する前の子がいること、家族が要介護状態であることを証明する書類の提出を求めることができます。
もっと詳しく
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