介護休業の対象者

介護休業の対象者

  • 家族を介護している従業員が申し出た場合は、介護休業を与えていますか?
  • 要件を満たしている家族を介護するために、従業員が申し出た場合は、会社は介護休業を与える必要があります。

【解説】

育児介護休業法(第11条第1項)によって、次のように規定されています。

「労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

  1. 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
  2. ・・・介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者」

従業員が会社に申し出たときは、介護休業を取得できることが定められています。

なお、「介護休業」とは、育児介護休業法上、要介護状態の対象家族を介護するための休業と定義されていて、「要介護状態」と「対象家族」という2つの要件を満たしている必要があります。

「要介護状態」とは、常時介護を必要とする状態のことを言います。介護保険制度による「要介護認定」とは異なる判断基準が定められていますので、「要介護認定」を受けていなくても対象となる場合があります。

「対象家族」とは、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫を言います。

また、期間を定めて雇用された者については、次の両方に当てはまる場合に限って、介護休業を取得できます。

  1. 入社して1年以上経過している
  2. 介護休業開始予定日の93日後から数えて6ヶ月以内に退職することが明らかでない

反対から見ると、入社して1年未満の者、又は、介護休業開始予定日から約9ヶ月以内に退職する予定の者については、「介護休業を取得したい」と申し出てきたとしても、会社は拒否できます。

また、一定の者については、労使協定で適用を除外することが認められていて、それに当てはまる場合は、会社は介護休業の申出を拒否できます。

具体的には、育児介護休業法(第12条第2項)及び厚生労働省令によって、次の者が明示されています。

  1. 入社して1年未満の者
  2. 介護休業を申し出た日から93日以内に退職する予定の者
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の者

労使協定を締結していることが条件ですので、これに該当していたとしても、労使協定がない会社は介護休業の申出を認めないといけません。

なお、こちらは、期間を定めて雇用された者に限りません。また、労使間で合意(労使協定を締結)したとしても、適用除外の範囲をこれより広げることはできません。

また、育児休業は原則的には1回(1つの期間)しか取得できませんが、介護休業は対象家族1人につき通算して93日、3回を上限として取得することができます。

したがって、93日を超える申出、4回目の申出については、会社は拒否できます。ただし、別の対象家族を介護するための申出については、新たに取得できますので、会社は認める必要があります。

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