資格喪失の手続き

資格喪失の手続き

  • 従業員が退職したときは、雇用保険の資格喪失届、社会保険(健康保険と厚生年金保険)の資格喪失届は、何日以内に処理していますか?
  • 雇用保険は10日以内、社会保険(健康保険と厚生年金保険)は5日以内、に資格喪失届を提出する必要があります。

【解説】

雇用保険の資格喪失届については、雇用保険法施行規則によって、次のように規定されています。

「事業主は、法第7条の規定により、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなったことについて、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該適用事業に係る被保険者でなくなったことの事実及びその事実のあった年月日を証明することができる書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。」

従業員が退職したときは、退職日の翌日から数えて10日以内に、資格喪失届に必要書類を添付して、公共職業安定所(ハローワーク)に提出することが義務付けられています。

ただし、離職証明書(離職票)を作成する場合は給与計算の都合がありますので、実務上は多少提出期限を過ぎたとしても、ハローワークから責められることはありません。

しかし、離職票の発行手続きが遅れると、退職者に支給される失業給付の開始時期も遅れますので、できる限り早急に処理をしてあげた方が良いです。

経験上、円満な労使関係を築けるかどうか、従業員を大切に思っているかどうかは、こういう所に表れるように思います。

次に、健康保険の資格喪失届については、健康保険法施行規則によって、次のように規定されています。

「法第48条の規定による被保険者の資格の喪失に関する届出は、当該事実があった日から5日以内に、様式第8号による健康保険被保険者資格喪失届を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。」

従業員が退職したときは、退職日の翌日から数えて5日以内に、資格喪失届を日本年金機構(事務センター)に提出することが義務付けられています。

この届出をすると、健康保険と同時に厚生年金保険の資格も喪失することになります。

健康保険については、従業員が退職した後に任意継続被保険者となるケースがあります。

任意継続被保険者となる場合は、本人が退職日から20日以内に申請することになっているのですが、保険証は健康保険の資格喪失の処理が終わった後に作成されます。

任意継続被保険者の保険証が本人の手元に届く前に医療機関で診療を受けたときは、一旦、医療費の全額(10割)を支払う必要があります。そして、保険証が届いた後に、医療費の7割分の支給申請を行うことになります。

健康保険の資格喪失届も、できる限り早急に処理をしてあげた方が喜ばれます。

もっと詳しく