優秀な従業員の落とし穴

優秀な従業員の落とし穴

一部の従業員に仕事が集中して、長時間労働になっているのですが、やはり問題がありますでしょうか?

はい。問題がありますので、改善するべきです。

どこの会社にも優秀な従業員がいると思いますが、その優秀な従業員に仕事が集中して、長時間労働になっているケースがよくあります。

長時間労働は健康を悪化させたり、残業手当の金額が膨れ上がったりして問題です。更に、万一、その優秀な従業員が退職すると、小規模企業にとっては大きな打撃になってしまいます。

大企業では従業員が1人抜けたとしても、他にフォローできる従業員がいますが、小規模企業で重要な仕事が特定の従業員に偏っていると、フォローできる従業員がいない事態になる危険があります。

特定の従業員に頼り切って、「退職することはない」と経営者が信じていても、過労で病気になったりすることも考えられます。

特定の従業員にしかできない業務はなくして、その従業員が抜けても困らない体制にしておくことが大事です。

そのためには、1人で複数の業務ができる多能工を進めるべきでしょう。

最近は業務が専門化して簡単ではないと思いますが、難しい業務でも工程を何段階かの作業に分けるといった工夫をすればできないことはないはずです。

また、配置転換をしたり、長期間の休暇を取らせたり、業務の配分を見直したり、強制的に他の従業員がフォローしないといけない状態にするという方法も考えられます。

少なくとも上司はその部下の業務を具体的に把握して、できれば他にもう1人、1つの業務につき3人くらい行える従業員を整えておくのが望ましいと思います。