社会保険の加入希望

社会保険の加入希望

健康保険については、加入基準が定められていたと思いますが、それに満たない従業員から「健康保険に加入したい」という申出がありました。加入手続きをしても、問題はないでしょうか?

健康保険の加入基準を満たしていない従業員は、健康保険には加入できません。

社会保険(健康保険と厚生年金保険)の加入基準は、次のように定められています。

この両方の基準を満たしている従業員(パートタイマーやアルバイト等の名称は問いません)は、社会保険(健康保険と厚生年金保険)に加入する義務があります。例えば、

が基準になります。もし、一方でも満たしていない従業員は、社会保険に加入できません。“加入義務はないけど、本人の意思で加入できる”ものではありません。

社会保険に加入したければ、両方の基準をクリアするように、雇用契約の内容を改める必要があります。会社として支障が生じないことが前提です。

なお、特定適用事業所(大企業)については、上の基準を満たしていなくても、次の全部に該当している場合は、加入義務があります。加入基準が異なりますが、考え方は同じです。

また、社会保険は健康保険と厚生年金保険がセットになっていますので、厚生年金保険は加入しないで、健康保険だけ加入することはできません。

同様に、雇用保険についても、加入基準が次のように定められています。

雇用保険も考え方は同じで、本人の意思は関係ありません。両方の加入基準を満たしている従業員は雇用保険に加入する義務があって、加入基準を満たしていない従業員は加入できません。

以上の取扱いは法律で決まっていることですので、会社としては法律に従って処理するべきです。

入社した後に社会保険の加入の有無について、加入基準と反対の希望を言ってくるケースがあります。募集要項に社会保険の加入の有無を記載しているとしても、採用面接の際に説明をして本人から同意を得ておくことが望ましいです。