短時間正社員の社会保険の加入

短時間正社員の社会保険の加入

当社で短時間正社員の制度を導入しようと検討しているのですが、社会保険の加入はどうなるのでしょうか?週30時間未満にすると、健康保険には加入できないのでしょうか?

一定の条件を満たしている場合は、1週間の所定労働時間が30時間未満になったとしても、社会保険(健康保険と厚生年金保険)は継続して加入できます。

パートタイマーなど短時間で勤務をする従業員については、社会保険(健康保険と厚生年金保険)の加入基準が次のように定められています。

「1週間の所定労働時間及び1ヶ月間の所定労働日数が、
正社員の1週間の所定労働時間及び1ヶ月間の所定労働日数の4分の3以上である者」

この基準を満たしていない者は、原則的には社会保険に加入できないことになっています。

したがって、当初は加入基準を満たして社会保険に加入していたとしても、所定労働時間や所定労働日数を減らして加入基準を満たさなくなった場合は、社会保険の資格喪失の届出をしないといけません。

しかし、短時間正社員の制度を導入する企業が増えていて、一律にこの基準を適用して社会保険(健康保険と厚生年金保険)の資格喪失を強制すると、様々な不都合が生じることが予想されます。

そのため、加入基準(4分の3要件)を満たしていないとしても、通達によって、次の3つの条件を全て満たしている場合は、健康保険の被保険者として取り扱うことが示されました。(厚生年金保険も同じです。)

  1. 就業規則等に短時間正社員に関する規定がある
  2. 期間の定めのない労働契約を締結している
  3. 時間当たりの基本給や賞与、退職金等の算定方法等が正社員と同等で、それを賃金規程等に規定している

非正規のパートタイマーは認められませんが、短時間正社員は常用的使用関係にある者として、継続して社会保険に加入できます。最初から短時間正社員として雇用するケースも同じ扱いです。

また、雇用保険については、1週間の所定労働時間が20時間以上かどうか、が加入基準になっています。

雇用保険については、短時間正社員に関する通達はありませんが、育児短時間勤務を行ったり、週20時間以上に復帰することを前提として一時的に短時間勤務になる場合は、継続して雇用保険に加入できます。