労働者死傷病報告の提出

労働者死傷病報告の提出

  • 従業員が労災事故に遭って休業したときは、労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を提出していますか?
  • 労働安全衛生法によって、従業員が仕事中にケガをして、次の日(以降)に休んだときは、会社は労働基準監督署に「労働者死傷病報告」という報告書を提出することが義務付けられています。

【解説】

労働安全衛生規則(第97条)によって、次のように規定されています。

  1. 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  2. 前項の場合において、休業の日数が4日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの期間における当該事実について、様式第24号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

第1項では、従業員が労災事故に遭って、負傷、窒息、急性中毒によって死亡又は休業したときは、遅滞なく、労働基準監督署に報告書を提出することが義務付けられています。

この「報告書」の名称が「労働者死傷病報告」です。仕事中でなくても、会社内で負傷したり、死亡したりした場合も、同様に提出が義務付けられます。

第2項では、休業日数が4日に満たない場合の提出期限が定められています。1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで、10月から12月まで、3ヶ月ごとに区切って、各期間の休業については、各期間の最終月の翌月末日までに提出することが定められています。

第2項で休業日数が4日に満たない場合が定められていますので、第1項は休業日数が4日以上の場合に適用することになります。4日以上休業したときは、その都度、遅滞なく、労働者死傷病報告を届け出る必要があります。死亡した場合も同じです。

なお、「遅滞なく」の期限は具体的には決まっていませんが、1週間以内が望ましくて、2週間以内であれば問題視されることはないはずです。1ヶ月以上遅れると問題があります。

この労働者死傷病報告は、提出された内容から労働災害の原因を分析して、同様の労働災害の再発を防止するための対策を立てることを目的とした制度です。

第1項と第2項で提出期限が分かれていますが、労働者死傷病報告の様式も2種類に分かれています。

休業日数によって様式が異なりますので、休業日数の数え方が重要になります。

休業日数は、翌日から数えます。したがって、ケガ等をした当日は早退したけれども、翌日に(それ以降も)出勤した場合は休業したことにはなりませんので、届け出る必要はありません。

休業期間中に休日をはさむ場合は、その休日も休業日数にカウントします。

また、休業したとしても、通勤災害の場合(通勤中の事故で休んだ場合)は、届け出る必要はありません。

労災保険の給付申請の手続きを済ませたとしても、それとは別に会社は労働者死傷病報告の手続きをしないといけません。大事な報告書ですので、忘れないよう注意してください。

もっと詳しく