労働者死傷病報告の提出(労働安全衛生法の解説)

労働者死傷病報告の提出(労働安全衛生法の解説)

  • 従業員が仕事中に負傷したりして、休業・死亡したときは、労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を提出していますか?
  • 労働安全衛生法によって、従業員が労働災害に遭って休業・死亡したときは、「労働者死傷病報告」を労働基準監督署に提出することが義務付けられています。

【解説】

労働安全衛生規則によって、次のように規定されています。

  1. 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、電子情報処理組織を使用して、次に掲げる事項を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
  2. 前項の場合において、休業の日数が4日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの期間における当該事実について、それぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、電子情報処理組織を使用して、同項各号に掲げる事項及び休業日数を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

第1項では、従業員が労働災害に遭って、負傷、窒息、急性中毒によって死亡又は休業したときは、遅滞なく、電子申請の方法で、労働基準監督署に報告することが義務付けられています。この報告のことを「労働者死傷病報告」と言います。

第2項では、休業の日数が4日に満たない場合の提出期限が定められています。1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで、10月から12月まで、3ヶ月ごとに区切って、各期間の休業について、最後の月の翌月末日までに、電子申請の方法で、労働基準監督署に報告することが定められています。

第2項で休業日数が4日に満たない場合が定められていますので、第1項は休業日数が4日以上の場合に適用することになります。4日以上休業したときは、その都度、遅滞なく、労働者死傷病報告を提出する必要があります。死亡した場合も同じです。

なお、「遅滞なく」の期限は具体的には決まっていませんが、1週間から2週間以内が目安とされています。1ヶ月以上遅れると、時間が掛かった事情を説明するよう求められるかもしれません。

労働者死傷病報告は、以前は書面(様式第23号・様式第24号)で提出していましたが、2025年1月1日以降は、原則として、電子申請の方法で提出することが義務付けられています。

第1項と第2項で提出期限が異なりますので、休業日数の数え方が重要になります。

休業は1日単位で数えますので、負傷した日の翌日から数えます。負傷した当日は早退して翌日に出勤した場合は、両日とも休業したことになりませんので、労働者死傷病報告を提出する必要はありません。

翌日以降に休業して、出勤できない状態の場合は、休日であっても休業日数にカウントします。

労働者死傷病報告から労働災害の原因を分析して、再発防止を図ることを目的としています。そのため、通勤災害の場合は休業したとしても、労働者死傷病報告の提出は不要です。

労働者死傷病報告は、労災保険の給付申請の手続きとは別に必要な手続きです。また、3ヶ月ごとに区切りますので、忘れやすいですが、報告を怠っていると、「労災かくし」と判断される場合があります。なお、報告を忘れていたり、虚偽の報告をすると、労働安全衛生法違反として、50万円以下の罰金が設定されています。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

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