不採用の理由の説明
不採用の理由の説明
採用面接を行って、不採用の通知をした者から「不採用になった理由を教えて欲しい」と問い合わせがありました。不採用の理由を回答した方が良いでしょうか?
不採用の理由を説明する義務はありませんが、丁寧に対応した方が良いと思います。
会社には採用の自由がありますので、誰を採用して誰を不採用とするかは、会社の判断で決定できます。
不採用とした場合の理由の説明については、職業安定法(施行規則)によって、次のように規定されています。
「求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、当該公共職業安定所に、その者を採用したかどうかを及び採用しないときはその理由を、速やかに、通知するものとする。」
ハローワークから紹介を受けて、会社が採用面接等をしたときは、採用したかどうか、不採用の場合はその理由を通知することが義務付けられています。この規定に基づいて、会社からハローワークに、「選考結果通知」を提出することになっています。
ハローワークに対して、不採用の理由を通知することが義務付けられていますが、本人に対して、不採用の理由を説明することは義務付けられていません。
不採用の理由の説明を求められても、会社は応じる必要はありません。しかす、その応募者は同じ業界に興味があると推測されますので、取引先に就職する可能性があります。丁寧な対応を心掛けて、差し支えがなければ、その理由を説明することが望ましいです。
ただし、「男性だから」「女性だから」「○歳以上だから」と説明することはできません。性別や年齢を理由として不採用とすることは、男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法によって、禁止されています。
また、実務経験が不足しているなど、客観的な事実があれば説明しやすいですが、「職場に馴染みにくそうだから」というような理由は反感を持たれます。人格を否定するような発言は避けるべきです。
不採用の理由を説明しにくい場合は、「今回は応募者がたくさんいましたので、不採用となる方が多くなってしまいました」、「相対的に評価をして合格者を選びました」と、決定的な理由があって不採用にしたのではなく、希望する応募者が他にいたと回答するのが無難と思います。