不採用の理由の開示
不採用の理由の開示
採用面接を行って、不採用の通知をした者から「不採用になった理由を教えて欲しい」と問い合わせがあったときは、その理由を回答しないといけないのでしょうか?
回答する義務はありませんが、丁寧に対応した方が良いと思います。
会社には採用の自由がありますので、誰を採用して誰を不採用とするかは、会社の判断で決定できます。
ハローワークから紹介されて選考した応募者については、ハローワークに不採用とした理由を通知しないといけませんが、本人に対して不採用の理由を開示する義務はありません。
なお、職業安定法(施行規則)によって、次のように規定されています。この規定を根拠にして、会社はハローワークに「選考結果通知」を提出することになっています。
「求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、当該公共職業安定所に、その者を採用したかどうかを及び採用しないときはその理由を、速やかに、通知するものとする。」
本人に不採用の理由を開示する義務(根拠となる法律上の規定)はありませんが、その応募者は同じ業界に興味があると推測されますので、取引先に就職する可能性があります。
「不採用の理由を開示する義務はない」と突き放すと反感を持たれますので、丁寧な対応を心掛けて、可能であればその理由を説明することが望ましいです。
ただし、「男性(又は女性)だから不採用にした」「50歳以上だから不採用にした」と説明することはできません。性別や年齢を理由として不採用とすることは法律で禁止されていますので、それぞれ男女雇用機会均等法違反、雇用対策法違反となります。
また、実務経験が不足している等の客観的な事実があれば説明しやすいですが、「職場に馴染みにくそうだから」というような理由は反感を持たれます。人格を否定するような発言は避けるべきです。
不採用の理由を説明しにくい場合は、
- 「今回は応募者がたくさんいましたので、不採用となる方が多くなってしまいました」
- 「相対的に評価をして合格者を選びました」
と決定的な理由があって不採用にしたのではなく、当社が希望する応募者が他にいて、今回はそちらを採用したと回答するのが無難と思います。
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