インフルエンザ休業と賃金

インフルエンザ休業と賃金

従業員がインフルエンザに感染して、会社を休ませたときは、賃金はどうなるのでしょうか?

誰の判断で会社を休んだのかによります。

年次有給休暇を消化する場合

普通は、従業員本人の判断で、年次有給休暇を取得して休むと思うのですが、その場合は、特に問題は生じません。年次有給休暇を消化して処理をします。

しかし、年次有給休暇を取得しない場合や新入従業員で年次有給休暇が付与されていない場合は、どうなるのでしょうか。

なお、年次有給休暇は、本人が取得日を指定して申請することになっていますので、会社が一方的に年次有給休暇を消化させることはできません。

ただし、会社から年次有給休暇を取得するよう説得することは構いません。本人が説得に応じた場合は、問題なく、年次有給休暇を消化することになります。

年次有給休暇を消化しない場合

そして、年次有給休暇を消化しない場合は、本人か会社か、どちらの判断で会社を休んだのかによって、賃金の取り扱いが異なります。

まず、本人の判断で休んだ場合は、年次有給休暇を消化しませんので、欠勤したものとして処理します。

一方、本人は出社する意思があるけれども、会社の判断で休ませる場合は、平均賃金の60%の休業手当を支払わないといけません。会社の責任で休ませたときは、労働基準法により、休業手当(平均賃金の60%)を支払うことが義務付けられています。

以上より、本人と話し合って、医師の意見を確認して感染の恐れがある場合は、年次有給休暇を取得してもらうよう会社から説得するのが良いと思います。

なお、感染症予防法の二類感染症に該当する新型インフルエンザで、行政の指示や要請により休ませる場合は、会社の判断、責任ではありませんので、休業手当を支払う必要はありません。