労災保険とマイナンバーの利用目的
労災保険とマイナンバーの利用目的
労災保険に関する手続きは、マイナンバー(個人番号)の利用目的に含みますか?
労災保険に関しては、会社が従業員のマイナンバー(個人番号)を取り扱うことはありませんので、労災保険に関する手続きは利用目的には含みません。
会社が特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)を取り扱うときは、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が適用されます。
個人情報保護法によって、会社が従業員の個人情報(特定個人情報)を取得する場合は、あらかじめ、本人に対して、その利用目的を明示することが義務付けられています。
会社が従業員のマイナンバー(個人番号)を利用する場面として、次の事項が想定されています。
- 健康保険法及び厚生年金保険法に関する届出事務
- 雇用保険法に関する届出事務
- 国民年金法第三号被保険者に関する届出事務
- 給与所得及び退職所得の源泉徴収票の作成事務
従業員のマイナンバー(個人番号)を取得する都度、個別にこのような利用目的を明示しても構いませんが、就業規則に利用目的を記載して明示する方法も可能です。明示を忘れることがなく、効率的に行えますので、就業規則で従業員に明示(周知)している会社が多いと思います。
そして、「労災保険法に関する届出事務」については、一部にマイナンバーを記載する書類がありますが、労災年金の支給請求書に限られています。
労災年金の支給請求書は、形式上は本人が主体となって請求する書類ですので、会社がマイナンバーを利用することは想定されていません。
したがって、会社が労災保険の手続きをするために、従業員のマイナンバーを収集、保管することはできません。マイナンバーの利用目的として、就業規則等に「労災保険法に関する届出事務」を記載している場合は、削除してください。
ただし、本人(労災年金を請求する従業員)の委託を受けて、会社が代理人として、支給請求書の作成や提出をすることは認められています。これは例外的な取扱いですので、その際は、次の書類の提示(又はコピーの添付)を求められます。
- 委任状
- 代理人の身元を確認できる書類
- 本人(労災年金を請求する従業員)の個人番号を確認できる書類
また、会社が支給請求書をコピーする場合は、マイナンバーの部分をマスキングしたりして、マイナンバーの記録が残らないようにする必要があります。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

