昇進の拒否
昇進の拒否
最近は昇進を嫌がる従業員が増えているそうですが、どうすれば良いでしょうか?強制できるのでしょうか?
会社には人事権がありますので、強制的に昇進させることは可能ですが、嫌がる従業員は無理に昇進させるべきではないと思います。
事業を円滑に運営するために、会社には誰をどこに配置するかという人事権があります。日本においては、解雇が厳しく制限されている反面、雇用を維持するための手段として、人事権(配転命令権)が広く認められています。
そのため、会社が一方的に、配置転換を命じたり、部長から課長に降格したりすることができます。特に昇進は一般的に従業員にとって有利な取扱いですので、法律的に否定されることはありません。
会社は昇進を強制できますので、従業員が昇進を拒否したときは、業務命令違反として懲戒処分を行えます。
しかし、昇進させたいと思う従業員は会社にとって優秀な人材のはずですが、懲戒処分を行えばモチベーションの低下は避けられません。会社も従業員も損しかありません。また、昇進を嫌がる従業員を無理やり昇進させても、期待どおり活躍する見込みは少ないでしょう。
そのため、昇進の辞令を出す前に、本人に打診をして、昇進を拒否したときは、昇進は取り止めるのが賢明です。
そのときに、「なぜ昇進したくないのか?」を確認してください。昇進を拒否する理由として、次のようなことが挙げられます。
- 勤務時間が長くなる(プライベートの時間が減る)
- 責任を負いたくない
- 部下の指導が苦手、面倒
- 責任の割に賃金が少ない
- 健康状態が良くない
- 今の仕事が好きで満足している
一部の従業員が昇進を拒否しても、代わりの者がいれば見過ごせますが、何人もの従業員が拒否をするようになると、会社に問題があると思われます。
個人的な問題は会社が対応できないとしても、会社に問題がある場合は、管理職の処遇や業務範囲を見直したり、業務の負担を軽減したり、必要に応じて改善する必要があります。