就業規則の厳格な取扱い or 有利な取扱い

就業規則の厳格な取扱い or 有利な取扱い

会社の就業規則(賃金規程)に、「遅刻、早退、欠勤があったときは、賃金を減額する」と規定している場合は、減額しないといけませんか?

就業規則の内容より、従業員にとって有利に取り扱うことは可能ですので、減額しない取扱いは可能です。

労働条件の最低基準を定めた法律として、労働基準法があって、全ての企業に対して適用されます。労働基準法の内容を下回る取扱いは許されません。

また、それぞれ会社の労働条件を定めたものとして、就業規則があって、その従業員に対して適用されます。労働基準法(第92条)によって、就業規則は労働基準法に反してはならないことが定められています。

更に、賃金や労働時間など、個々の従業員の労働条件については、労働契約によって定めます。労働契約法(第12条)によって、就業規則の内容を下回る労働契約は無効になって、その部分は就業規則が適用されることが定められています。

”労働契約”は言い換えると”個別の取扱い”で、就業規則の内容を下回る取扱いは許されませんが、上回る取扱いは可能です。

そして、就業規則(賃金規程)に、「遅刻、早退、欠勤があったときは、賃金を減額する」と規定していて、実際に従業員が遅刻をしたときに、賃金を減額しない取扱いは、就業規則の内容を上回る取扱いですので問題ありません。従業員にとっては有利な取扱いですので、喜ばれます。

例えば、電車の遅延があったときに、遅刻扱いにしていない会社は多いです。そのような事態を想定して、就業規則に「会社が認めたときは、遅刻・早退としない」というような規定を設けておけば、就業規則の内容と実際の取扱いが一致しますので、問い合わせのような疑問が生じることはないと思います。

反対に、例えば、就業規則で、時間外勤務手当を135%の割増率で支払うことを定めていて、実際に125%の割増率で支払うことは、就業規則の内容を下回る取扱いですので、許されません。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。