労働基準監督署の調査結果
労働基準監督署の調査結果
労働基準監督署の調査では、どのような違反が指摘されるのでしょうか?
指摘される内容はある程度決まっています。
東京労働局により、「平成26年の定期監督等の実施結果」が公表されています。これは東京労働局管内の18の労働基準監督署が、平成26年に実施した定期監督等の結果を取りまとめたものです。
これによりますと、労働基準法に関して、監督指導を行った主な違反は次のとおりです。
- 労働時間
・時間外労働をさせているのに、36協定の締結と届出をしていない
・36協定の限度時間を超えて時間外労働をさせている - 割増賃金
・適正に割増賃金を支払っていない - 労働条件の明示
・雇い入れる際に労働条件を書面で交付していない
・書面で交付しているけれども記載事項が不足している - 就業規則
・従業員が10人以上いるのに、就業規則の作成と届出をしていない - 賃金台帳
・賃金台帳を作成していない
・賃金台帳を作成しているけれども記載事項が不足している
これらに加えて、労働安全衛生法違反として、次の違反が続きます。
- 健康診断
・定期健康診断を実施していない
この定期監督等の実施結果は毎年公表されているのですが、取り上げられている違反は、毎年ほぼ同じ内容です。
これらは全て、基本中の基本です。もし、違反がある場合は、今すぐ整備してください。1回後回しにすると、日々の業務に追われて、忘れた頃になって、労働基準監督署から是正勧告を受けるというケースがよくあります。
労働基準監督署から是正勧告を受けて強制的に正されるより、自発的に正す方が、従業員の信頼を得られますし、時間を掛けて検討できるといったメリットがあります。どちらが賢明かは言うまでもありません。