労働基準監督署による法違反の指導事項

労働基準監督署による法違反の指導事項

知り合いの経営者から、「労働基準監督署の調査があって、是正勧告を受けた」と聞きました。何を調査されるのでしょうか?

労働基準法違反として指摘される事項は、ある程度決まっていますので、違反している場合は改善してください。

東京労働局から、毎年、「定期監督等の実施結果」が公表されています。これは東京労働局管内の18の労働基準監督署が実施した定期監督等の結果を取りまとめたものです。

これによると、労働基準法や労働安全衛生法に関して、是正・改善を指導した主な法違反の内容は、次のとおりです。

  1. 労働時間
    ・1日8時間又は1週40時間を超える時間外労働をさせている
     (36協定の締結と届出をしていない)
    ・36協定を届け出ているけれども、その範囲を超えて時間外労働をさせている
  2. 健康診断
    ・定期健康診断を実施していない
    ・定期健康診断を実施しているけれども、健康診断個人票を作成していない、
     健康診断の事後措置を怠っている
  3. 割増賃金
    ・時間外労働の時間を切り捨てて、割増賃金を支払っている
    ・労働時間(時間外労働の時間)を適正に把握していない
    ・割増賃金の基礎となる賃金に含めるべき手当を含めていない
  4. 労働条件の明示
    ・雇い入れる際に書面を交付して、労働条件を明示していない
    ・書面を交付しているけれども、記載事項が不足している
  5. 年次有給休暇
    ・1年に5日以上の年次有給休暇を付与していない
  6. 賃金台帳
    ・賃金台帳を作成していない
    ・賃金台帳を作成しているけれども、記載事項が不足している
  7. 安全衛生管理体制
    ・従業員数が10人以上の会社で、衛生推進者、安全衛生推進者を選出していない
    ・従業員数が50人以上の会社で、衛生管理者、産業医等を選出していない
  8. 就業規則
    ・従業員数が10人以上の会社で、就業規則の作成と届出をしていない
    ・就業規則を従業員に周知していない

これらは全て基本的な事項です。定期監督等の実施結果は毎年公表されていますが、主な違反内容は毎年ほぼ同じです。

もし、違反がある場合は、期限を定めて改善に取り組んでください。後回しにすると、日々の業務に追われて、忘れた頃に、労働基準監督署から是正勧告を受けることになります。

労働基準監督署から是正勧告を受けて改善を強制されるより、自発的に改善する方が従業員の信頼を得られます。また、時間を掛けて検討できますので、どちらが賢明かは言うまでもありません。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。