労働条件自主点検表の回答

労働条件自主点検表の回答

会社に「労働条件自主点検表」が届きました。都道府県労働局の委託を受けた一般企業が実施しているようですが、回答しないといけませんか?

「労働条件自主点検表」の回答は義務ではありませんが、回答した方が良いです。

会社に届いた労働条件自主点検表は、「労働条件を自主的に点検して、必要があれば改善してください」という趣旨のものです。労働基準法で義務付けられていることではありませんので、回答しなくても、それを理由に罰則が科されることはありません。

以前は、労働基準監督署が調査を実施する前に、労働条件自主点検表を郵送していましたが、最近は、労働条件自主点検表の郵送を一般企業に委託するケースが増えています。

労働条件自主点検表では、次のような質問が設定されています。

  1. 10人以上の会社は、就業規則を作成して、労働基準監督署に届け出ているか
  2. 採用時に、一定の事項を定めた労働条件通知書や雇用契約書を交付しているか
  3. 所定労働時間は、1日8時間以内、1週40時間以内となっているか
  4. 所定休日は、1週1日以上与えているか
  5. 1ヶ月単位の変形労働時間制を適用している場合は、就業規則に記載しているか
  6. 1年単位の変形労働時間制を適用している場合は、労働基準監督署に届け出ているか
  7. 36協定を締結して、労働基準監督署に届け出ているか
  8. 労働時間を適正に把握しているか
  9. 割増賃金を適正に支払っているか
    割増賃金の基礎となる賃金は正しいか
  10. 最低賃金額以上の賃金を支払っているか
  11. 1年に5日以上の年次有給休暇を与えているか
    付与日数及び取得日数を適正に管理しているか
  12. 健康診断を実施して、事後措置を適正に実施しているか

もし、労働基準法や労働安全衛生法に違反している部分があれば、問題が大きくなる前に改善するべきです。良い機会と思いますので、労働条件自主点検表は回答した方が良いです。

労働条件自主点検表には回答の期限が設定されていて、期限までに回答しないと、電話で催促してきたり、文書を郵送してきたりすることがあります。

放置していると、労働基準監督署の調査に移行することも考えられます。労働基準法に基づいて実施する調査については、会社は拒否できません。

そうなると、「労働条件自主点検表を無視した会社だから、何か隠しているのではないか」と疑念を持って調査されますので、厳格になることが予想されます。

そして、労働基準法違反や労働安全衛生法違反が発覚すると、是正勧告が行われます。是正勧告書が交付されると、期日までに是正しないといけませんので、厳しいスケジュールになります。

一方、労働条件自主点検表に回答して、法律違反が明らかになったとしても、その部分を改善したり、研修(オンラインの場合もあります)を受講したりすれば、それで完了するケースが一般的です。

法律違反が明らかになるとしても、労働基準監督署による本格的な調査を受けて対応するより、労働条件自主点検表に回答して対応する方が楽です。

自ら違法な取扱いをしていることを申告して、労働基準法違反が厳しく問われることはありませんので、回答は正直に行ってください。虚偽の回答をしていると、悪質な会社という印象を与えて、厳しい調査を受けることになるかもしれません。

労働条件自主点検表で取り上げられている事項は、労働基準法や労働安全衛生法の中でも基本的な内容ですので、郵送される前に、問題点があれば改善することが最善の方法です。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。