年次有給休暇の計画的付与の実施手順
年次有給休暇の計画的付与の実施手順
- 特定の日に年次有給休暇を取得させる場合は、従業員の過半数代表者と労使協定を締結していますか?
- 労使協定を締結したときは、労使協定で定めた日に計画的に(強制的に)年次有給休暇を取得させることができます。
【解説】
原則として、年次有給休暇は、従業員が請求した日に与えることになっています。しかし、労働基準法(第39条第6項)によって、次のように規定されています。
従業員の過半数代表者(又は過半数労働組合)と労使協定を締結したときは、労使協定で定めた日(時季)に、年次有給休暇を与えることができます。取得日を計画的に定めることから、「年次有給休暇の計画的付与」と呼ばれています。
なお、第1項から第3項までの規定で、勤続年数に応じて一定の日数の年次有給休暇を付与することが定められています。また、前項(第5項)には、従業員が請求した時季に年次有給休暇を与えなければならないことが定められています。
年次有給休暇の計画的付与の対象にできるのは、従業員に付与した年次有給休暇のうち5日を超える部分と定められています。要するに、従業員が自由に利用できる年次有給休暇として、少なくても5日は確保する必要があります。
そして、例えば、労使協定で、全ての従業員を対象にして、4月30日、5月1日、5月2日を年次有給休暇の取得日と定めたときは、反対する従業員も強制的に年次有給休暇を取得(消化)することになります。
ところで、労働基準法が改正されて、1年に5日の年次有給休暇を付与することが義務付けられました。
そのため、会社は、年次有給休暇を5日以上取得したかどうか、従業員ごとに管理する必要があります。5日に満たない従業員には、会社から取得するよう促して、実際に取得したことを確認しないといけません。
しかし、従業員の中には、取得するよう促しても応じない者がいます。取得が後回しになって取得日数が5日に満たない者がいると、会社が労働基準法違反をしたことになります。
そのような心配がある場合は、年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定を締結して、5日分の取得日を定めておけば、強制的に消化しますので、5日以上取得したかどうかを確認する手間が省けます。
また、労使協定では、年次有給休暇の具体的な取得日を定めますが、次のように3通りの方法が考えられます。
- 全ての従業員を対象にして、一律の取得日を定める方法
- グループごとに、取得日を定める方法
- 個人ごとに、取得日を定める方法
なお、年次有給休暇は出勤日の勤務を免除して、賃金を支払うという制度ですので、休日を年次有給休暇の取得日に設定することはできません。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。
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