パートタイマー用の就業規則
パートタイマー用の就業規則
- 正社員の他に、パートタイマー、アルバイト、契約従業員、嘱託従業員、臨時従業員などがいる場合、それぞれに適用する就業規則がありますか?
- 労働基準法によって、従業員数が10人以上の会社は、就業規則の作成が義務付けられています。従業員の中に就業規則が適用されない者がいると、労働基準法違反になってしまいます。
【解説】
10人以上の従業員を雇用している会社は、就業規則を作成することが、労働基準法によって義務付けられています。
この従業員には、パートタイマー、アルバイト、契約従業員、嘱託従業員、臨時従業員など、全ての労働者を含みます。役員は含みません。
例えば、正社員が6人、パートタイマーが4人、契約従業員が2人の会社は、従業員数が12人になりますので、就業規則の作成義務があります。
この場合、正社員に適用する就業規則を作成すれば、法律で定められている内容をクリアするということにはなりません。作成義務の対象となるのは、カウントする対象となる全て(12人)の従業員です。
また、就業規則は、会社の労働条件や服務規律等のルールを定めたもので、会社と従業員が共に遵守することによって、従業員は安心して働くことができ、労使間のトラブルを防止することができます。
この目的を達成するために、就業規則の作成義務がある会社では、就業規則が適用されない者(パートタイマー等)がいることは許されません。
ただし、パートタイマー用の就業規則、アルバイト用の就業規則、契約従業員用の就業規則、嘱託従業員用の就業規則など、従業員の種類ごとに作成する義務はありません。
例えば、正社員用の就業規則を作成して、契約従業員やパートタイマーに適用しても構いません。
その正社員用の就業規則の中で、「ただし、契約従業員及びパートタイマーには休職を適用しない」など、実態に合うよう適用を除外する規定を設けたり、取り扱いの違いを明確に規定しておけば、不都合が生じることはありません。
よく問題になるのが、次のような会社です。
- 正社員の他にパートタイマーがいる
- 正社員用の就業規則しか作成していない
- その適用範囲で、「この就業規則はパートタイマーには適用しない」と規定している
- パートタイマーに適用する就業規則がない
就業規則の作成義務がある場合に、就業規則が適用されないパートタイマーがいることは許されませんので、結果的に、パートタイマーにも正社員用の就業規則がそのまま適用されます。場合によっては、退職金の支払いを求められる可能性もあります。
ここではパートタイマーで例示しましたが、契約従業員やアルバイト等でも同じことが言えます。就業規則の作成義務がある場合は、適用が漏れる者がないよう注意してください。