募集時の年齢制限の禁止と例外事由

募集時の年齢制限の禁止と例外事由

  • 従業員を募集するときは、年齢制限をしていませんか?
  • 労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)によって、募集及び採用について、年齢制限をすることが禁止されています。

【解説】

昔は、求人情報誌や求人広告に、「40歳以下の方を募集」や「35歳以下の方を歓迎」というような記載をしていることがありました。しかし、現在は、募集時に年齢制限をすることが禁止されています。

労働施策総合推進法(第9条)によって、次のように規定されています。

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

法律の正式名称は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」で、以前の「雇用対策法」から改定されました。

会社が従業員を募集・採用するときは、年齢に関係なく、均等な機会を与えることが義務付けられています。要するに、年齢によって応募を制限したり、年齢によって不採用を決定したりすることが禁止されています。

これは、ハローワーク(公共職業安定所)で、求人(募集・採用)をする場合に限りません。民間の求人情報誌や求人広告を利用したり、自社のホームページに求人(募集・採用)の案内を掲載したりする場合にも適用されます。

ただし、厚生労働省令(施行規則)によって、一定の例外が認められています。次の例外事由に該当するときは、その内容に応じて年齢制限をすることができます。

  1. 定年を定めている場合に、定年年齢を下回ることを条件として、募集・採用するとき
    【例:定年年齢を60歳としている会社が、60歳未満の者を募集する】
    ・無期雇用で募集する場合に限られます。期間を定めて雇用する場合は認められません。
  2. 労働基準法等の法律で、年齢の範囲が制限されている業務について、募集・採用するとき
    【例:深夜業務、危険有害業務、警備業務で、18歳以上の者を募集する】
  3. 長期間の継続勤務によるキャリア形成を図るために、若年者を募集・採用するとき
    【例:新卒者を主な対象として、35歳未満の若年者を募集する】
    ・無期雇用で募集する場合に限られます。期間を定めて雇用する場合は認められません。
    ・職務経験は不問として、新卒者と同等の処遇をする必要があります。
  4. 特定の職種で従業員の数が少ない特定の年齢層に限定して、募集・採用するとき
    【例:30歳から49歳までの特定の5歳幅から10歳幅の年齢層で、同じ年齢幅の上下の年齢層と比較して、従業員数が1/2以下のときに、少ない年齢層の者を募集する】
    ・無期雇用で募集する場合に限られます。期間を定めて雇用する場合は認められません。
  5. 芸術や芸能の分野で、表現の真実性等を確保するために、特定の年齢層に限定して、募集・採用するとき
    【例:芸術作品のモデルや演劇の役者で、それに合った年齢層の者を募集する】
    ・イベントコンパニオンは芸術や芸能の分野には該当しません。
  6. 60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する国の施策の対象となる者に限定して、募集・採用するとき
    【例:特定求職者雇用開発助成金の対象者として、60歳以上65歳未満の者を募集する】

以上の例外事由に該当して、募集時に年齢制限をする場合は、求職者や職業紹介事業者に対して、その理由を提示することが義務付けられます。

体力が必要な仕事、パソコン作業、対象とする顧客の年齢層など、会社として年齢制限をしたくなる気持ちは分かりますが、仕事の適性があれば、年齢は関係ないはずです。

募集をする業務に必要な能力や経験、会社が求める人材像を明らかにしてください。具体的な業務内容と合わせて、それを求人広告等で明示すれば、ミスマッチを防げるようになると思います。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

もっと詳しく