募集・採用時の就職差別の禁止(NG質問の例)

募集・採用時の就職差別の禁止(NG質問の例)

  • 採用面接をするときに、就職差別と受け取られるような質問をしていませんか?
  • 採用面接をするときは、「業務に関する適性や能力を把握すること」を中心に考えて質問するようにしてください。

【解説】

職業安定法(第5条の5)によって、従業員を募集している会社が、応募者の個人情報を収集、保管、使用するときは、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、その目的を本人に明らかにして行うことが義務付けられています。

見方を変えると、その業務の目的の達成に必要な範囲を超えて、応募者の個人情報を収集、保管、使用することが禁止されています。

また、職業安定法の指針(厚生労働省告示)によって、次の個人情報を収集することが禁止されています。

  1. 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
  2. 思想及び信条
  3. 労働組合への加入状況

本来、応募者の中から誰を採用するかは会社の自由です。会社としては、「当社が求める能力に達していない」と判断して不採用を決定したとしても、会社が不用意な質問をしていると、「就職差別を受けた」と言われて、トラブルに巻き込まれるかもしれません。

就職差別と受け取られるような質問はするべきではありません。採用面接をするときは、「業務に関する適性や能力を把握すること」を中心に考えて、質問をしてください。例えば、次のような質問をしても、応募者の適性や能力を把握することはできません。

【本人に責任のない事項】

【思想信条にかかわる事項】

これらの内容については一切聴いてはいけないということではありません。業務に関連することであれば、聴いても構いません。例えば、時間外労働や休日労働を前提としている職場では、それに応じられるかどうかは選考基準の1つになります。

就業規則や雇用契約書で定めていれば、会社が一方的に時間外労働や休日労働を命じることができますが、育児中の子や介護を必要とする家族がいる従業員については、会社は配慮することが求められます。

また、育児介護休業法に基づいて、要件を満たしている従業員が請求したときは、会社は時間外労働や休日労働を命じることができません。

時間外労働や休日労働に応じられない原因として、家族の状況が想定されますので、その確認のために必要な範囲内で質問をすることは可能です。しかし、例示したような「家族の職業、収入、学歴、健康など」は業務に関連しませんので、質問をする必要性はないでしょう。

業務に関する適性や能力を把握するために、あらかじめ選考基準と質問内容を決めておいて、それに沿って採用面接を進めるようにすれば安心です。チェックリストを作っておけば、確認事項の聞き漏らしを防止できます。

また、採用面接の開始前に緊張している応募者の気持ちを和らげようとして、世間話をすることがあります。そのときに、「家族に関すること」が話題になって、就職差別に繋がるような質問をすることがあります。採用面接の出席者に対して、前もって注意しておいた方が良いです。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

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