管理監督者が深夜労働をしたときの割増賃金

管理監督者が深夜労働をしたときの割増賃金

  • 管理監督者が深夜労働をしたときは、深夜勤務手当を支払っていますか?
  • 管理監督者であっても、深夜労働をしたときは、その労働時間に対して0.25倍の深夜勤務手当を支払うことが、労働基準法で義務付けられています。

【解説】

労働基準法(第41条)によって、次のように規定されています。

この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

  1. 別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
  2. 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  3. 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

第2号が「管理監督者」と呼ばれる者で、「労働時間、休憩及び休日に関する規定」が適用されません。労働時間、休憩、休日に関する規定となっていますので、深夜労働に関する規定の適用は除外されていません。

原則として、1週40時間・1日8時間超えて労働させることが禁止されていて、1週1日以上の休日を与えることが義務付けられています。この規定が適用されませんので、管理監督者については、時間外労働や休日労働という考えが適用されません。その結果、時間外勤務手当及び休日勤務手当の支払いが不要になります。

しかし、深夜労働については、労働基準法では特に禁止されていませんので、管理監督者についても、次の労働基準法(第37条第4項)の規定が適用されます。

午後10時から午前5時までの深夜に勤務をしたときは、その労働時間に対して0.25倍の深夜勤務手当を支払うことが義務付けられています。

管理監督者に時間外勤務手当(残業手当)を支払わないことを理由にして、労働時間(残業時間)を把握していない会社がありますが、管理監督者であっても労働時間を把握する必要があります。

会社が出退勤の時刻を指示したり、遅刻や早退をした時間分の賃金を減額したりしていると、管理監督者と認められませんが、深夜勤務手当を支払うことや過重労働を防止することを目的として、管理監督者の労働時間を把握することは差し支えありません。

そして、一般従業員が時間外労働をして、そのまま深夜の時間帯に勤務が及んだときは、1.25倍の時間外勤務手当と0.25倍の深夜勤務手当を合計して、深夜の時間帯については、1時間につき1.5倍の割増賃金を支払うことになります。

管理監督者が深夜労働をしたときは、時間外勤務手当を支払う必要はありませんので、0.25倍の深夜勤務手当のみを支払っていれば問題はありません。

例えば、管理監督者の通常の賃金が1時間につき4,000円とすると、深夜勤務手当は1時間につき1,000円になります。5,000円(1.25倍)ではありません。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

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