インフルエンザの予防接種の強制

インフルエンザの予防接種の強制

従業員に対して、インフルエンザの予防接種を義務付けることはできますか?

会社がインフルエンザの予防接種を従業員に義務付けること(強制すること)は問題があります。

インフルエンザの予防接種については、昔は小学校で集団接種として強制的に行われていましたが、安全性や有効性の問題が指摘されて、現在は個別に任意で接種することになっています。

このような経緯がありますので、会社としては、安全性や副作用のリスクを考えると、業務命令として、従業員に予防接種を義務付けること(強制すること)は問題があります。

従業員にインフルエンザの予防接種を受けさせたいのであれば、義務や強制とするのではなく、予防接種の費用を会社が負担することにして、本人の意思に基づいて、予防接種を受けるようにするべきです。

また、予防接種を奨励するために、勤務時間中に予防接種を受けに行っても良い(その時間は通常の賃金を支払う)といった配慮をすることも考えられます。

なお、会社がインフルエンザの予防接種を受けるよう強制することはできませんが、説得をすることは可能です。

注射をしてアレルギー反応が出たことがある等の理由があって、予防接種を拒否する者が想定されます。従業員が予防接種を受けないという理由で、不利益な取扱いをすることは許されません。それをしていると、予防接種の強制と同じになります。