年次有給休暇の買い取り

年次有給休暇の買い取り

退職する従業員から、未消化の年次有給休暇を買い取るよう求められました。会社はこれに応じないといけないのでしょうか?

会社は応じる義務はありませんので、年次有給休暇の買い取りは拒否しても構いません。

年次有給休暇の買い取りは、原則的には禁止、違法とされています。

退職を予定していない通常時に、年次有給休暇の買い取りを認めると、年次有給休暇が取得できないようになります。つまり、労働基準法上は取得できることになっている年次有給休暇の取得を拒否することになります。

したがって、年次有給休暇の買い取りは、労働基準法違反に直結する行為です。

また、年次有給休暇の時効の2年が経過して消滅する年次有給休暇を買い取ることは、明らかに違法というものではありませんが、年次有給休暇の取得の抑制に繋がる(法律の趣旨に反する)ものとして望ましくないとされています。

しかし、退職により消滅する年次有給休暇は、元々取得できないものです。取得の抑制にも繋がらないものですので、例外的に買い取りは可能とされています。

なお、この場合でも、買い取りが義務付けられることはありませんので、応じるかどうかは会社の判断によります。

円満に退職してもらうために、諸事情を考慮して、買い取りを検討することもあります。