任意継続被保険者の加入要件
任意継続被保険者の加入要件
従業員が会社を退職して、健康保険を任意継続するときは、手続きが遅れると認められないと聞きました。そうなのでしょうか?
はい。退職日から20日以内に手続きをしないと、健康保険の任意継続はできません。1日でも遅れると、任意継続被保険者になれません。
従業員が会社を退職して、健康保険の任意継続をする(任意継続被保険者になる)場合は、次の2つの条件を満たしている必要があります。
- 2ヶ月以上、健康保険に加入していること
- 退職日から(退職日の翌日から数えて)20日以内に申請すること
従業員を採用して、健康保険の加入手続きをするときは、健康保険法の施行規則によって、次のように規定されています。
被保険者の資格の取得に関する届出は、当該事実があった日から5日以内に、健康保険被保険者資格取得届を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。
資格取得届を提出するときの規定ですが、実際には、提出期限の5日を過ぎても、通常どおり、資格取得の処理が行われます。ただし、60日以上遅れると、年金事務所による事業所調査の実施対象になりやすいので、注意が必要です。
一方、任意継続被保険者になる場合の申出については、健康保険法(第37条)によって、「被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。」と規定されています。これは施行規則ではなく、健康保険法の本則の方で定められています。
また、採用時の資格取得は「5日以内に、提出することによって行うものとする」と持って回った表現ですが、任意継続被保険者の方は「20日以内にしなければならない」と書き方が厳格です。
実際の取扱いも厳格で、申出書の提出が退職日から20日を過ぎると認められません。1日でも遅れると、任意継続被保険者になれません。なお、任意継続被保険者の申請は、全国健康保険協会の都道府県支部に対して行います。
また、従業員が退職したときは、会社は資格喪失届を提出しますが、その提出が遅れると、任意継続被保険者の処理が滞りますので、資格喪失届の提出はできる限り早く行ってください。なお、資格喪失届の提出も、健康保険法の施行規則によって、退職日から5日以内に行うものとされています。