障害者雇用納付金制度

障害者雇用納付金制度

障害者を雇用していないと、罰金が科されるのでしょうか?

罰金ではありませんが、従業員数が100人を超える会社で、障害者の法定雇用率を満たしていない場合は、障害者雇用納付金が徴収されます。

障害者雇用促進法(正式名称「障害者の雇用の促進等に関する法律」)によって、2024年4月以降の障害者の法定雇用率は2.5%と定められています。法定雇用率は条件に従って見直すことになっていて、2026年7月以降は2.7%に引き上げられます。

障害者の雇用義務のある人数は、「従業員数(常時雇用している労働者数)×法定雇用率」で計算をして、端数は切り捨てます。

したがって、従業員数が40人以上(2.7%の場合は37.5人以上)になると、障害者を1人雇用する義務が生じます。従業員数が80人以上(2.7%の場合は74.5人以上)になると、障害者を2人雇用する義務が生じます。

なお、障害者雇用促進法の制度上、1週間の所定労働時間が30時間以上の者は1人、20時間以上30時間未満の者は0.5人と数えます。1週間の所定労働時間が20時間未満の者はカウントしません。

そして、障害者を雇用しようとすると、作業現場の設備を改善したり、特別な雇用管理を行ったり、経済的な負担を伴うことがあります。障害者の法定雇用率を満たしている会社と満たしていない会社があると、経済的な不公平が生じます。

障害者の雇用は社会が共同して行うべきであるという理念から、経済的な不公平を解消するために、未達成の会社から納付金を徴収して、達成している会社に調整金や報奨金を支給することになっています。「障害者雇用納付金制度」と言います。

具体的には、従業員数が100人を超える会社で、障害者の法定雇用率を満たしていない場合は、不足する障害者1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しないといけません。

反対に、従業員数が100人を超える会社で、障害者の法定雇用率を超えている場合は、申請に基づいて、超えて雇用している障害者1人につき月額29,000円の障害者雇用調整金が支給されます。ただし、年間平均で10人を超える場合は、超過分は障害者1人につき月額23,000円になります。

また、従業員数が100人以下の会社で、障害者が一定数を超えている場合は、申請に基づいて、超えて雇用している障害者1人につき月額21,000円の報奨金が支給されます。ただし、年間平均で35人を超える場合は、超過分は障害者1人につき月額16,000円になります。

障害者雇用納付金及び障害者雇用調整金の納付期限及び申請期限は、毎年4月1日から5月15日まで(報奨金の申請期限は4月1日から7月31日まで)となっていて、申請期限を過ぎると障害者雇用調整金や報奨金は支給されませんので、申請期限には注意してください。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。