タイムカードの打刻忘れの対応
タイムカードの打刻忘れの対応
出勤時・退勤時に、タイムカードの打刻を忘れる従業員がいますが、何か対策はありますか?また、欠勤扱いにすることは問題がありますか?
打刻時のルールを工夫したり、始末書を提出させたり、いくつか対策はありますが、欠勤扱いにすることはできません。
タイムカードの打刻を忘れたときに、注意や指導をしないで、手書きの処理を認めていると、打刻忘れがなくなることはありません。まずは、タイムカードの打刻は業務命令であることを明らかにして、口頭で注意をしてください。
就業規則に、出退勤の時刻をタイムカードに記録することを定めている場合は、その部分を従業員に示して、タイムカードの打刻忘れは、就業規則に違反する行為であることを説明します。
タイムカードの打刻を忘れると、労働時間の把握が適正に行えませんので、遅刻・早退の時間、残業時間の管理が曖昧になってしまいます。
重要な事項ですので、就業規則に、労働時間(タイムカード)の記録に関する記載がない場合は、「従業員はタイムカードに始業時刻及び終業時刻を記録しなければならない」といった記載を追加した方が良いでしょう。
同時に、タイムカードの設置場所を全員が通る目立つ場所に移動したり、打刻時のルールを定めたりすることが考えられます。
例えば、打刻したときはタイムカードを裏返すことをルールにすると、打刻を忘れていることが一目で分かりますので、本人に打刻するよう注意できます。
それでもタイムカードの打刻忘れを繰り返す者については、就業規則の懲戒事由に該当する行為ですので、次に繰り返したときは懲戒処分を行うことを文書で警告します。
この段階で違反行為であることを認識して改善するケースが多いと思いますが、それでも打刻忘れを繰り返したときは、就業規則に基づいて、始末書を提出させることになります。
なお、タイムカードの打刻を忘れたからといって、欠勤扱いにすることはできません。労働時間に応じて賃金を支払わないと、賃金の不払として労働基準法違反になってしまいます。当然ですが、遅刻をしたときは、遅刻をした時間分の賃金を減額・控除することは可能です。
また、就業規則の懲戒処分として、減給の制裁を定めていて、懲戒事由にタイムカードの打刻忘れを定めている場合は、減給の制裁を行うことができます。
しかし、違反行為の程度と懲戒処分の種類は釣り合っていないといけませんし、重い懲戒処分をすると次の懲戒処分が行いにくくなりますので、一番軽い始末書の提出(譴責や戒告)から開始して、違反行為を繰り返した場合は、徐々に重い懲戒処分に移行する方法が合理的です。
また、最近は、労働時間を把握するための手段として、パソコンや携帯端末を用いた勤怠管理システム(アプリ)を利用する会社が増えています。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

