賃金の引き下げ
賃金の引き下げ
試用期間が終わって本採用した従業員がいるのですが、期待したほどの働き振りではありません。賃金を引き下げることはできないでしょうか?
会社が一方的に、賃金を引き下げることはできません。
採用時に雇用契約書や労働条件通知書を作成して、賃金の額を明示していると思いますが、賃金の額は契約内容の1つですので、会社が変更しようとする場合は、本人から同意を得る必要があります。
しかし、従業員の立場で考えると、採用時に提示された金額をもらうことは当然と思っていますので、会社が賃金の引下げを説得しても応じることは考えにくいです。
もし、応じたとしても、会社に対する不信感が高まって、モチベーションの低下は避けられません。他の従業員に悪影響が及ぶことも考えられます。
賃金が「1万円増額されたとき」と「1万円減額されたとき」を比べると、同じ1万円でも受け取る印象が全然違います。増額されたときの満足より、減額されたときの不満の方が断然大きくて、後まで引きずります。
賃金の引下げを説得する前に、成果を上げられるように指導や教育をすることを最優先に考えるべきです。不信感を持たれることはありませんし、成長すれば会社の財産になります。
それでも賃金を引き下げたい場合は、現在の賃金に見合った成果を具体的に示して、1年後にそれが達成できなければ賃金を引き下げることにすれば、本人から同意を得やすくなると思います。1年間の猶予期間を与えることになります。
また、その1年間も指導や教育を継続して、成果を達成できるようにサポートをするべきです。1年後に達成できれば問題はありません。達成できなければ改めて同意を得て賃金を引き下げることになります。
なお、昇給しないこと、賞与を支給しないことは、具体的な約束をしていなければ、問題はありません。
募集をしても応募者が少なくて、賃金を高額に設定するケースがありますが、このような事態にならないように、最初は低い賃金で募集をして、そこから徐々に昇給していく方法が望ましいです。