フレックスタイム制の導入要件
フレックスタイム制の導入要件
- フレックスタイム制を採用している場合は、労使協定を締結していますか?また、就業規則にも、フレックスタイム制に関する記載がありますか?
- フレックスタイム制について、従業員の過半数代表者と労使協定を締結していない場合、就業規則に記載がない場合は、「フレックスタイム制を採用している」と言っても認められません。
【解説】
フレックスタイム制とは、出退勤の時刻(始業時刻及び終業時刻)を従業員の決定に委ねる制度です。
労働基準法上、原則的には、労働時間が1週40時間又は1日8時間(法定労働時間)を超えたときは、超えた時間に対して、125%の割増賃金(時間外勤務手当)を支払うことが義務付けられています。
しかし、フレックスタイム制を適用すると、清算期間(通常は1ヶ月)を平均して1週40時間以内になるように、清算期間(通常は1ヶ月)の総労働時間を定めて、実際の労働時間がその範囲内に収まったときは、1週40時間を超える週又は1日8時間を超える日があったとしても、会社は割増賃金を支払う必要がありません。
フレックスタイム制を適用する場合は、割増賃金の支払いについて、例外的な取扱いが認められますので、労働基準法によって、一定の条件が定められています。
フレックスタイム制という文言は出て来ませんが、労働基準法(第32条の3)によって、次のように規定されています。
記載内容を分解すると、次のようになります。
- 出退勤の時刻を従業員の決定に委ねることを就業規則に規定して、
- 一定の事項について、従業員の過半数代表者(又は過半数労働組合)と労使協定を締結したときは、
- 清算期間を平均して1週40時間の範囲内で、1週40時間又は1日8時間を超えて労働させることができる
3.の「労働させることができる」というのは、法定労働時間を超えても時間外労働とみなさない、つまり、割増賃金の支給対象にはならないということです。
ただし、予定していた清算期間の総労働時間(清算期間を平均して1週40時間)を超えて労働した時間については、割増賃金を支払わないといけません。
そして、フレックスタイム制を導入する場合は、労働基準法及び労働基準法施行規則によって、次の事項について、労使協定で定めることになっています。
- フレックスタイム制を適用する従業員の範囲
- 清算期間
- 清算期間の起算日
- 清算期間の総労働時間
- 標準となる1日の労働時間
- コアタイム(労働しなければならない時間帯)
- フレキシブルタイム(自由に労働できる時間帯)
フレックスタイム制を適用する期間(2.清算期間)は、従来は1ヶ月(以内)と定められていましたが、法改正によって、最大3ヶ月まで認められるようになりました。労働時間を柔軟に配分できるようになります。
ただし、清算期間が1ヶ月を超える場合は、労使協定に「8.有効期間の定め」を追加して、労働基準監督署に労使協定を届け出ないといけません。届出を忘れていると、フレックスタイム制の適用が否定されますので、注意が必要です。
なお、清算期間を1ヶ月(以内)とする場合は、労使協定を作成して、従業員の過半数代表者と締結する必要がありますが、労働基準監督署への届出は不要です。
「6.コアタイム」と「7.フレキシブルタイム」は、設定しない方法も可能です。設定する場合は、労使協定でその時間帯を定める必要があります。
その上で、就業規則に記載しなければならない事項として、労働基準法(第89条)によって、「始業及び終業の時刻」が挙げられていますので、コアタイム及びフレキシブルタイムを設定する場合は、就業規則にも記載する必要があります。
また、労働基準法施行規則によって、就業規則で清算期間の起算日を明らかにすることが定められています。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。
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