トライアル雇用 助成金と採用の決定
トライアル雇用 助成金と採用の決定
従業員を募集していて、応募者を2人に絞りましたが、トライアル雇用 助成金の対象者にしようか迷っています。助成金の対象者の方が良いでしょうか?
採用を決定するときに、トライアル雇用 助成金の対象者かどうかは、考慮に入れない方が良いです。
例えば、20万円の月給で従業員を採用したとすると、賃金は1年間で240万円になります。仮に、4年間在籍したとすると約1000万円、8年間在籍したとすると約2000万円です。
勤続年数の平均が8年を超えている会社にとって、1人採用するということは、2000万円に相当する投資と同じです。
2000万円の設備投資をするときは、時間を掛けて、慎重に検討していると思います。その一方で、期待する応募者が現れなくて妥協して採用したりして、安易に決定していないでしょうか。
採用時は同じ程度の能力と思っていても、その後の会社に対する貢献度を比較すると、従業員によって、年間で数十万円、数百万円の差が生じることも珍しくないと思います。
トライアル雇用 助成金を受給できたとしても、1人につき12万円(月額4万円×3ヶ月)です。数年間の賃金や貢献度と比較すると、誤差みたいなものです。
誰を採用するか決定するときは、トライアル雇用 助成金の対象者かどうかは考慮に入れない方が良です。会社が求める人材を明らかにして、それに近い者を採用するのが合理的と思います。
これは、トライアル雇用等の低額の助成金に限らないで、100万円を超える助成金であっても同じことが言えます。
助成金は、就職が困難な者を採用したり、予定されている法改正を前倒しで取り入れたり、政府の政策に合わせた制度を設けたりして、法律で求められている以上の取り組みをしている会社に支給されます。
助成金を受給できれば、短期的には利益ですが、長期的には受給した額以上の負担を伴うケースが多いです。受給額が大きい助成金は、それに相応する負担が生じるということです。無理をして会社に合わない取り組みをすると、数年後に後悔する可能性が高いです。
先進的な取り組み等で、会社に意図があって制度を導入する場合はそうすれば良いと思いますが、助成金を受給することを目的にして、制度を導入することは避けるべきです。
「助成金を受給できなくても同じことをするか?」と自問して、助成金に振り回されないようにしてください。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

