嘱託従業員(有期労働契約)の介護休業の取得

嘱託従業員(有期労働契約)の介護休業の取得

60歳の定年退職後に再雇用して、1年ごとに期間を定めた労働契約を更新している嘱託従業員が、介護休業を申し出たときは認めないといけませんか?

育児介護休業法で定められている条件を満たしていれば、雇用形態に関係なく、介護休業を取得できます。会社は認めないといけません。

介護休業は、育児介護休業法(正式名称「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)に基づいて、取得できることになっています。

介護休業については、育児介護休業法(第11条)によって、次のように規定されています。

労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、第3項に規定する介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる。

基本的には労働者に該当すれば、介護休業を取得できます。ただし、期間を定めて雇用する者については、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6ヶ月以内に労働契約が満了することが明らかでない者に限り、介護休業を取得できることが定められていいます。

言い換えると、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6ヶ月以内(介護休業開始予定日から約9ヶ月以内)に労働契約が満了して、引き続き雇用する見込みがない者については、介護休業を取得できないということです。

一般的に、60歳で定年退職をした者を嘱託従業員として、1年単位で期間を定めて再雇用して、65歳まで雇用を継続する会社が多いです。

65歳まで雇用することが見込まれますので、基本的には嘱託従業員であっても、介護休業を取得できます。65歳を上限としている会社については、その約9ヶ月前(64歳と3ヶ月)以降に介護休業を開始する場合に限って、介護休業の取得の申出を拒否できます。

また、育児介護休業法によって、従業員の過半数代表者(又は過半数労働組合)と労使協定を締結したときは、次の者については、介護休業の取得の申出を拒否できることが定められています。

  1. 勤続1年未満の者
  2. 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな者
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の者

労使協定を締結していない会社は、これに該当していても、取得の申出を認めないといけません。

これは育児介護休業法で限定して列挙されているものですので、従業員の過半数代表者と労使協定を締結したとしても、申出を拒否できる者を追加することはできません。

以上の取扱いは、雇用形態に関係なく、嘱託従業員、契約社員、パートタイマー、アルバイト、正社員であっても同じ基準が適用されます。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。