複数の通勤経路がある場合の通勤手当
複数の通勤経路がある場合の通勤手当
当社では、通勤手当として、電車の定期券代の実費を支給しているのですが、複数の通勤経路がある場合は、どうすれば良いでしょうか?
就業規則(賃金規程)の通勤手当の項目で、通勤経路は会社が指定すると記載して、採用時に通勤経路と通勤手当の支給額を明示してください。
電車を利用して通勤している従業員については、通勤手当として、定期券代の実費を支給している会社が一般的です。
自宅から会社まで複数の通勤経路が存在する場合がありますが、どの経路で通勤するのかによって、定期券代の費用が変わってきます。
通常は、最も安い経路で通勤する方法が合理的(所要時間も最短)と考えられますので、その経路で通勤した場合の定期券代の実費を通勤手当として支給している会社が多いです。
電車の定期券代については、次のサイトで確認できます。出発する駅と到着する駅を入力すれば、経路、定期券代、所要時間が表示されます。
例外的に、最短時間で通勤できる経路が、最も安い通勤経路でない場合があります。乗換えが不便で相当な時間が掛かるケースもあります。
また、グーグルマップに出発地(自宅)と到着地(会社)を入力すれば、想定される経路と所要時間が分かります。会社の始業時刻や終業時刻に合わせて、到着時刻や出発時刻を指定すれば、その時間帯の所要時間が分かります。
ほとんどの場合は、最も安い経路で通勤する方法が所要時間も最短(又は時間帯による誤差の範囲内)と確認できると思います。
したがって、原則的には、最も安い経路で通勤した場合の定期券代の実費を通勤手当として支給して、例外的に、費用と便利・不便の程度を考慮して、会社が認めた場合に限って、それと異なる通勤経路の定期券代の実費を通勤手当として支給するのが良いと思います。
就業規則(賃金規程)には、会社が指定した経路で通勤した場合の定期券代の実費を通勤手当として支給することを記載しておけば、そのように処理できます。
就業規則(賃金規程)にそのような記載がないと、従業員が希望する通勤経路で支給するよう求められて、トラブルになる恐れがあります。
また、従業員を採用するときは、労働条件を明示することが義務付けられていて、賃金(各手当)に関する事項が書面(雇用契約書や労働条件通知書)で明示する事項の1つとして定められています。
従業員を採用するときに、通勤手当の支給額と通勤経路を説明するようにしてください。採用を決定する前に説明していれば、トラブルになることは考えにくいです。