マイカー通勤の単価設定

マイカー通勤の単価設定

ここ数年、ガソリン価格の変動が大きいですが、他社ではマイカー通勤をしている従業員の通勤手当は、どのように決定しているのでしょうか?

ガソリンの価格が大きく変動するようになった数年前から、毎年1回、1km当たりの単価を見直す会社が増えていると思います。

通勤に要する実費を支給する目的で、通勤手当を支給している会社は、ガソリン価格の変動に合わせて、毎年4月など、1年に1回は通勤手当の単価を見直す方法が望ましいです。

また、例えば、「通勤距離が片道2km以上10km未満の場合は4,200円」など、通勤手当の非課税限度額で支給している会社については、法改正が行われるまでは、見直す必要はありません。

そもそも通勤手当は、労働基準法等の法律で支給が義務付けられているものではありませんので、通勤手当の支給額の計算方法は、それぞれの会社の判断によります。

ただし、就業規則(賃金規程)を作成して、通勤手当を支給することを定めている場合は、就業規則(賃金規程)に基づいて、通勤手当の支給が義務付けられます。

また、採用時に交付する雇用契約書等で、通勤手当を支給することを定めている場合も、雇用契約書等に基づいて、通勤手当を支給しないといけません。

そして、通勤に要する費用の実費を支給する場合は、「往復の通勤距離(km)×所定労働日数(日)×ガソリン単価(円/L)/平均燃費(km/L)」で計算する方法が合理的です。

この「ガソリン単価」(円/L)と「平均燃費」(km/L)については、統計資料がありますので、これを参考にすると良いでしょう。

ガソリン単価については、資源エネルギー庁の「給油所小売価格調査」や総務省統計局の「小売物価統計調査」があります。

資源エネルギー庁の「給油所小売価格調査」は毎週発表されていて、2025年3月10日のデータでは、レギュラーガソリンの全国平均は、184.1円/Lとなっています。

総務省統計局の「小売物価統計調査」は1ヶ月ごとに発表されていて、2025年2月のデータでは、レギュラーガソリンの東京都区部は、184円/Lとなっています。

どちらも都道府県や地域ごとの調査結果があります。

平均燃費については、国土交通省から「自動車燃費一覧」が毎年公表されています。令和4年度の資料では、ガソリン乗用車全体の平均燃費は、19.4km/L(WLTCモード)、24.3km/L(JC08モード)となっています。

これに基づいて計算すると、通勤距離1kmにつき、WLTCモードで9.48円(184円/19.4km)、JC08モード7.57円(184円/24.3km)となります。

このような計算をして1km当たりの単価を決定したと、従業員に説明すれば理解が得られると思います。