安全管理者の選任基準

安全管理者の選任基準

  • 一定の業種で、従業員数が50人以上の場合は、「安全管理者」を選任していますか?
  • 労働安全衛生法によって、一定の業種で、従業員数が50人以上の会社は、「安全管理者」を選任して、労働基準監督署に報告することが義務付けられています。

【解説】

安全管理者については、労働安全衛生法(第11条)によって、次のように規定されています。

事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に前条第1項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない。

短い文章ですが、政令や厚生労働省令によって、それぞれ具体的な内容が定められています。1つずつ見ていきましょう。

まず、「政令で定める業種」については、政令(=労働安全衛生法施行令)によって、次の業種が列挙されています。

これらの業種に該当しない会社は、「安全管理者」を選任しなくても構いません。

次に、「政令で定める規模」については、政令(=労働安全衛生法施行令)によって、50人以上の従業員を雇用している会社とすることが示されています。

そして、「厚生労働省令で定める資格を有する者」については、厚生労働省令(=労働安全衛生規則)によって、次のいずれかに該当して、厚生労働大臣が定める研修を修了した者であることが示されています。

  1. 大学又は高等専門学校の理科系統の課程を卒業して、その後2年以上産業安全の実務を経験した者
  2. 高等学校又は中等教育学校の理科系統の学科を卒業して、その後4年以上産業安全の実務を経験した者
  3. 労働安全コンサルタント
  4. その他厚生労働大臣が定める者

また、労働安全衛生規則によって、従業員数が50人以上になって、安全管理者を選任する基準を満たしたときは、14日以内に選任することが義務付けられています。

通常は従業員の中から安全管理者を選任しますが、厚生労働大臣が定める研修を修了している必要がありますので、従業員数が50人以上になる前から準備をしていないと対応できません。

なお、安全管理者が退職して、欠員が生じた場合も14日以内に選任する必要があります。

更に、労働安全衛生規則によって、会社が安全管理者を選任したときは、電子申請の方法で、労働基準監督署に選任報告をすることが義務付けられています。労働基準監督署の調査があって、選任及び報告が漏れていると、是正勧告の対象になります。

また、安全管理者が管理をする業務として、「前条第1項各号の業務のうち安全に係る技術的事項」が挙げられています。「前条第1項各号の業務」は、次のとおりです。

  1. 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
  2. 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
  3. 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
  4. 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
  5. 労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

具体的には、通達によって、次のような業務が挙げられています。

  1. 建設物、設備、作業場所又は作業方法に危険がある場合における応急措置又は適当な防止の措置
  2. 安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検及び整備
  3. 作業の安全についての教育及び訓練
  4. 発生した災害原因の調査及び対策の検討
  5. 消防及び避難の訓練
  6. 作業主任者その他安全に関する補助者の監督
  7. 安全に関する資料の作成、しゆう集及び重要事項の記録
  8. その事業の労働者が行う作業が他の事業の労働者が行う作業と同一の場所において行われる場合における安全に関し、必要な措置

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

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