高校生の時間外労働、休日労働、深夜労働
高校生の時間外労働、休日労働、深夜労働
高校生のアルバイトには、残業をさせてはいけないのでしょうか?
労働基準法によって、18歳未満の者に、時間外労働、休日労働、深夜労働をさせることが禁止されています。
労働基準法では、18歳未満の者を“年少者”と呼んで、通常の労働者とは区別して、保護をする規定が設けられています。
労働基準法(第60条)によって、次のように規定されています。
18歳未満の年少者については、1日8時間、1週40時間を超える勤務を可能とする、次の規定を適用しないことが示されています。
- 第32条の2 1ヶ月単位の変形労働時間制
- 第32条の3 フレックスタイム制
- 第32条の4 1年単位の変形労働時間制
- 第32条の5 1週間単位の変形労働時間制
- 第36条 36協定
- 第40条 労働時間と休憩の特例
- 第41条の2 高度プロフェッショナル制度
36協定の根拠となる第36条が挙げられています。通常は、従業員の過半数代表者と36協定を締結して、労働基準監督署に届け出ることによって、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働させること、週1日の法定休日に労働させることが可能になります。
第36条の規定を適用しないということは、36協定を労働基準監督署に届け出ても、時間外労働や休日労働が不可能ということです。
36協定の様式を見ると、労働者数の欄が「(満18歳以上の者)」と記載されています。つまり、18歳未満の年少者は36協定の対象外で、適用されないことが明示されています。
なお、時間外労働の基準になるのは、1日8時間、1週40時間の法定労働時間です。したがって、例えば、1日の所定労働時間が6時間の日は、2時間以内で残業を命じることができます。ただし、その場合でも、1週間の労働時間(残業時間を含めた実働時間)は40時間以内とする必要があります。
年少者が、「1日10時間働きたい」と会社に申し出たとしても、労働基準法は強制的に適用されますので、会社が本人の申出に応じると、会社が違法行為をしたことになります。
また、休日労働についても、基準になるのは、週1日の法定休日です。したがって、例えば、土曜日と日曜日を休日としている場合に、日曜日の休日を確保した上で、土曜日に休日労働を命じることは可能です。ただし、その場合も同様に、1週間の労働時間は40時間以内とする必要があります。
更に、労働基準法(第61条)によって、次のように規定されています。
この規定によって、18歳未満の年少者については、午後10時から午前5時までの深夜の時間帯に労働させることが禁止されています。
以上により、18歳未満の年少者については、時間外労働、休日労働、深夜労働をさせることが禁止されています。なお、18歳未満かどうかで判断しますので、高校生かどうか、アルバイトかどうかは関係ありません。