熱中症の労災認定
熱中症の労災認定
従業員が勤務時間中に熱中症を発症したときは、労災保険は適用されますか?
「熱中症になってもおかしくない」と思われるような暑い場所で作業していたときは、通常は労災保険が適用されます。
一般的に、業務が原因で生じたケガや病気については、業務災害と認定されて、労災保険の給付を受けられます。具体的には、「業務遂行性」と「業務起因性」の両方が認められれば、労災認定を受けられます。熱中症の場合も同じです。
業務遂行性とは、会社の管理下で業務を遂行していることです。通常の業務に従事している労働時間は当然ですが、社内での休憩時間や出張の移動時間等も、会社の管理下にあると考えられます。
業務起因性とは、業務と災害に因果関係があることです。工場で機械の操作を誤って負傷したときは当然ですが、トイレや食事をしに行く途中で転んだときも、会社の施設・設備が原因で生じたものと考えられます。
会社の指示を受けて、屋外や暑い場所で業務に従事している間に熱中症を発症したときは、業務遂行性及び業務起因性が認められます。他に特別な事情(持病の悪化や私的行為等)がなければ、業務が原因で生じたものとして、業務災害と認定されます。
そして、熱中症の症状が表れて回復しない場合は、医療機関で受診すれば、無料で治療や薬剤の給付を受けられます。また、4日以上休業したときは、労災保険から休業補償給付が支給されます。
業務が原因で熱中症を発症したときは、健康保険は使用できません。会社から従業員に対して健康保険を使用するように強要すると、労災隠し(労働安全衛生法違反)と指摘されます。
熱中症が発症した後の対応は大事ですが、会社には安全配慮義務がありますので、熱中症が発症しないように予防することも大事です。
水分の補給、塩分の補給、ファン付きの作業服、休憩時間の確保など、作業環境に応じた適切な対策が色々あります。厚生労働省から有益な情報が公開されていますので、参考にしてください。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

