賃金の支払日の変更方法
賃金の支払日の変更方法
現在、当社の賃金の締切日が20日、支払日が25日となっていて、間に休日があると賃金計算のスケジュールが厳しいです。賃金の支払日を遅らせたいと考えていますが、可能でしょうか?
通常は可能です。ただし、これまで25日に賃金を支払っていたとすると、従業員もそれに合わせて生活していると思いますので、できる限り生活に支障が生じないように配慮するべきです。
労働契約法(第8条)によって、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と規定されています。
労働条件(賃金や労働時間等)を変更する場合は、労使間で合意して行うことが示されています。賃金の締切日や支払日は労働契約の一部ですので、会社が賃金の支払日を変更しようとする場合は、従業員から同意を得る必要があります。
原則的には、賃金の支払日の変更を拒否する者については、会社が一方的に変更することはできません。
ただし、労働契約法(第10条)によって、次のように規定されています。
つまり、就業規則の変更が、①従業員が受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④従業員との交渉の状況、⑤その他の事情に照らして合理的と認められる場合は、反対する従業員がいたとしても、就業規則を変更して労働条件を変更することができます。
①賃金が減額される訳ではありませんので、従業員が受ける不利益の程度は比較的小さいです。②実際のスケジュールが厳しいので、変更の必要性は認められやすいです。③現在の賃金の締切日から支払日まで5日ですが、10日程度に変更するのであれば、一般的に許容される範囲内と考えられます。
そして、④従業員に事情を説明して、丁寧に話合いを行えば、賃金の支払日の変更は認められる可能性が高いです。
ただし、反対する従業員が現れないことが最善の方法です。これまで25日に賃金を支払っていたとすると、従業員もそれに合わせて生活していると思います。次のような措置を検討して、できる限り生活に支障が生じないよう配慮することが重要です。
- 賞与を支払う月に賃金の支払日を変更すれば、生活に与える影響は小さくなります。
- 賃金の支払日は変更しないで、賃金の締切日を前倒しする方法も考えられます。なお、この場合は、賃金の計算期間が1ヶ月に満たないので、賃金を日割計算して支給することになります。
- 賃金の支払日を遅らせる場合は、様々な自動引き落としがあって、その計画が狂わないように、従来の支払日に賃金の一定額を前払いする方法もあります。
- 準備が必要な従業員がいたり、変な憶測を呼ばないように、従業員には変更の理由を丁寧に説明して、変更は3~6ヶ月後に行うべきです。
その後、賃金の支払日を変更したときは、就業規則(賃金規程)を変更して、労働基準監督署に届け出る必要があります。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。

