労働条件の変更
労働条件の変更
- 個別に設定している労働条件(賃金の金額など)を変更するときは、本人から同意を得ていますか?
- 会社が労働条件を変更しようとする場合は、従業員本人の同意が必要です。
【解説】
「採用したけど期待する成果が上がらないので、賃金を引き下げてもいいですか?」という質問を受けることがあります。
これは企業間の取引で、「100万円で販売したけど、90万円しか支払わなくてもいいですか?」という質問と似ています。
仕様書の基準をクリアしていなければ納品を拒否することもありますが、通常は商品やサービスを利用した後に値引きをすることは難しいです。
雇用契約の場合も、勤務した後(採用を決定した後)に賃金を引き下げることは難しいです。更に、雇用契約においては、特に労働者が保護されています。
労働契約の内容の変更については、労働契約法(第8条)によって、次のように規定されています。
「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」
会社が労働条件を変更しようとする場合は、従業員本人の同意が必要であることが示されています。
反対に、従業員が会社に「賃金を上げて欲しい」と言ってきても、それに応じるかどうかは会社の自由です。
雇用契約も契約ですので、契約内容である労働条件(賃金や労働時間など)を取り決めた後は、当事者の一方が勝手に変更することはできません。
従業員全体に適用する就業規則(賃金規程)を変更して、労働条件を変更するケースもありますが、原則は上で説明しましたとおり、労働条件を変更する場合は当事者間の合意が必要です。
ところで、採用した数ヶ月後に会社が賃金を引き下げたくなるのは、採用試験の準備段階で必要な能力を明らかにせず、本人に求める具体的な成果を示さないまま、なんとなく採用を決定しているケースが多いように思います。
もっと詳しく
- 労働契約法 第8条<労働契約の内容の変更>【なるほど労働契約法】
- 労働契約法 第9条<就業規則による労働契約の内容の変更>【なるほど労働契約法】
- 賃金の引き下げ【労務管理の知恵袋】
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