1ヶ月平均所定労働時間の計算方法(割増賃金)
1ヶ月平均所定労働時間の計算方法(割増賃金)
- 賃金を月給制で支払っている従業員について、割増賃金(残業手当)の基準となる通常の賃金を算出するときに、分母となる1ヶ月の所定労働時間は何時間で計算していますか?
- 所定労働時間は1週40時間以内とする必要がありますので、1ヶ月平均所定労働時間数は173.8時間が上限になります。
【解説】
労働基準法(第37条)によって、次のように規定されています。
従業員に時間外労働や休日労働をさせた場合は、通常の賃金を基準にして、会社は割増賃金(125%の時間外勤務手当、135%の休日勤務手当)を支払うことが義務付けられています。
また、通常の賃金については、労働基準法施行規則によって、次の方法で算出することが示されています。
- 時間によって定められた賃金については、その金額
- 日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数で除した金額
- 月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における1月平均所定労働時間数)で除した金額
賃金を時間給で支払っている従業員が時間外労働をしたときは、その時間給が基準になります。例えば、時間給が1,600円とすると、時間外労働1時間につき、2,000円を支払うことになります。
賃金を月給で支払っている従業員が時間外労働をしたときは、月給を1ヶ月の所定労働時間数で割って、時間給に換算する必要がありますが、通常は月によって所定労働時間数が異なりますので、1月平均所定労働時間数で割って計算することが示されています。
具体的には、年間カレンダー等から1年間の所定労働時間数を合計して、12ヶ月で割って、「1ヶ月平均所定労働時間数」を算出します。
所定労働時間は1週40時間以内とする必要がありますので、「1ヶ月平均所定労働時間数」は173.8時間(=40時間/7日×365日/12ヶ月)が上限になります。これを超えている場合は、どこかで計算を間違っています。
173.8時間で計算すれば良いということではなくて、実際の1年間の所定労働時間を合計して、2,016時間だったとすると、「1ヶ月平均所定労働時間数」は168時間(=2,016時間/12ヶ月)で計算する必要があります。
「1ヶ月平均所定労働時間数」を実際より大きい時間で計算すると、時間給に換算した金額が低額になりますので、割増賃金が本来支払うべき金額より低額になります。結果的に、賃金の不払いが発生して、労働基準法違反となってしまいます。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。
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