36協定の届出を忘れた

36協定の届出を忘れた

36協定は、毎年決まった時期に、労働基準監督署に届け出ていましたが、今年度は届出を忘れてしまいました。どうすれば良いでしょうか?

さかのぼった期間で36協定を作成して、労働基準監督署に届け出れば、36協定の有効期間が経過していても、受付はしてもらえます。できるだけ早く届け出るようにしてください。

労働基準法(第36条)によって、次のように規定されています。

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間又は前条の休日に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

36協定の根拠となる規定で、従業員の過半数代表者と書面による協定をして、労働基準監督署に届け出た場合は、時間外労働や休日労働が可能になることが定められています。

36協定は、従業員の過半数代表者と締結しただけでは不十分で、労働基準監督署に届け出ることが条件になっています。したがって、36協定は、労働基準監督署に届け出た日以降に(時間外労働や休日労働が適法になるという)効力が生じます。

例えば、36協定の有効期間を4月1日から翌年3月末日と定めて、労働基準監督署に届け出た日が5月1日とすると、4月1日から4月末日までの期間は36協定が無効、つまり、この期間に行った時間外労働や休日労働は違法(労働基準法違反)になります。

ただし、有効期間をさかのぼった日付の4月1日から1年間として、5月に36協定を届け出たとしても、労働基準監督署が受付を拒否することはありません。

労働基準監督署から、「36協定は届け出た日以降有効です。今後は注意してください」と指導されて、会社用の36協定の控えにそのような押印をして返却されると思いますが、受付はしてもらえます。

また、例えば、前回の36協定の有効期間が3月末日までで、5月に届出を忘れていたことに気付いて、次回の36協定の有効期間を6月1日から1年間として、さかのぼらない期間で設定して、提出することも考えられます。

会社ごとに年度を設定していると思いますが、それと異なる期間で36協定の有効期間を設定していると、再び届出を忘れる可能性が高くなると思いますので、36協定の有効期間は会社の年度と合わせる方法が良いと思います。

有効期間をさかのぼった日付の4月1日から1年間とするとしても、届出が先延ばしになると、違法状態の期間が長くなります。また、その間に労働基準監督署の調査があったりすると、是正勧告を受ける恐れがあります。

「36協定の届出を忘れていた」という理由で、労働基準法の罰則が科されることはありませんので、気付いたときは早急に届け出ることが望ましいです。

改めて言うまでもありませんが、36協定は、毎年決まった時期に、前回の有効期間が終了する前に、労働基準監督署に届け出るようにしてください。