パソコンデータで書類を保存

パソコンデータで書類を保存

賃金台帳やタイムカードは、一定期間保存することが義務付けられていると思いますが、紙で保存しないといけないのでしょうか?パソコンのデータで保存しても良いですか?

必要な条件をクリアしていれば、パソコン等のデータで保存する方法も認められています。

労働基準法(第109条)によって、「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない。」と規定されています。

同様に、労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法等の法律でも、それぞれの法律に基づいて作成した書類を一定期間保存することが義務付けられています。

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等の労働基準法関係の書類、雇用保険や社会保険(厚生年金保険と健康保険)の資格取得届、資格喪失届等は、昔は手書きで作成していましたが、現在はパソコンで作成している会社が一般的です。

そのため、次の要件を全て満たしている場合は、書類の保存について、紙ではなく、パソコン等のデータで保存する方法が認められています。

  1. 労働基準監督署の調査等があったときに、必要事項を記載した書類を直ぐに印刷して提出できること
  2. データを誤って消去したり、改変したりできないように措置を講じること
  3. データを損なうことなく、必要な期間保存できること

また、パソコン等のデータで書類を保存する場合は、次の3通りの方法がありますが、上の要件を満たしていれば、どの方法でも構いません。

  1. ワード、エクセル、給与計算ソフト等で書類を作成して、そのファイルを保存する
  2. 作成した書類をPDFで出力・保存する
  3. 作成した紙の書類をスキャナで読み取って、画像データとして保存する

これらのデータは、定期的にバックアップをしたり、パスワードを設定したり、確実に保存できるように対策を講じる必要があります。

パソコンの本体から切り離して、記録媒体にデータを保存すれば、ウイルスに感染したり、パソコンが故障したりしても、データの破損を防止できます。

ただし、USBメモリーやSDカードは長期保存には向いていませんので、CD、DVD、ブルーレイディスク等の光ディスクが望ましいです。最近は、クラウド上にデータを保存する方法が増えています。