交通違反の反則金の負担

交通違反の反則金の負担

従業員が業務で自動車を使用していて、交通違反をして、反則金が科されたときは、会社が負担しないといけませんか?

従業員が交通違反をした場合の反則金は、本人に負担させるべきです。

業務で自動車を使用している会社があります。自動車の運転について、会社が従業員に対して、十分な教育・指導を行っても、交通違反をゼロにすることは難しいです。

交通違反については、様々な種類が定められています。次のような比較的軽微な交通違反をしたときは、反則行為として反則金の納付が求められます。

従業員がこのような交通違反をしたときは、本人の責任ですので、反則金は本人が支払うべきです。

従業員が行った交通違反の反則金を会社が負担していると、会社が交通違反を許容・黙認しているように受け取られます。また、従業員は、「交通違反をしても反則金は会社が払ってくれる」と考えて、スピード違反や駐車違反を繰り返す可能性が高くなります。

それで済んでいればまだましですが、危険運転致死や酒酔い運転など、重大な違反行為に発展しかねません。その場合は、罰金刑や懲役刑といった刑事罰が科されて、従業員に前科が付きます。なお、反則金の対象となる交通違反は、行政罰に該当しますので、前科は付きません。

従業員に道路交通法を遵守させるために、反則金や罰金が科されたときは、本人に負担させるべきです。業務で使用する自動車が、私有車であっても社有車であっても同じです。

ただし、従業員が加害者で交通事故を起こしたときは、会社の責任になります。会社には運行供用者責任や使用者責任がありますので、被害者に生じた損害については、会社が賠償しないといけません。通常は、会社に代わって、自動車保険から損害の補償が行われます。

被害者がいる場合の補償は、反則金や罰金の負担とは別の問題ですので、従業員に責任を負わせることはできません。