あっせんの参加・不参加

あっせんの参加・不参加

当社を退職した者があっせんを申請したようで、あっせんに参加するかどうか連絡するよう求められています。どうすれば良いでしょうか?

あっせんに参加する義務はありませんので、参加するかどうかは会社の自由です。

まず、あっせんには、次のような特徴があります。

  1. あっせんに参加するかどうかは自由です。不参加を理由にして、会社に不利益が及ぶことはありません。
  2. 双方が譲歩する内容で、あっせん案が提示されます。
  3. あっせん案に応じる義務はありません。
  4. あっせんの費用は無料です。
  5. 1回の話し合いで終わります。

例えば、不当解雇を主張して裁判になると、解雇が無効か有効かという判断が下されます。

そして、解雇が無効と判断されると、職場に復帰させた上で、解雇日以降の賃金を支払うことが求められます。つまり、解雇をして1年後に結果が出たとすると、1年分の賃金をさかのぼって支払わないといけません。

反対に、解雇が有効と判断されると、現状維持で特に何もありません。会社の主張が通ったとしても、裁判費用や時間が掛かります。

裁判は、白か黒か決着を付ける場です。しかし、あっせんでは双方が譲歩して、退職者は解雇を受け入れる代わりに、会社は解決金を支払うというように、柔軟な解決案が提示されるケースが多いです。

したがって、裁判になったときに、会社の主張が確実に通るのであれば、応じない方が得です。反対に会社の主張が通らないと考えられるのであれば、通常は裁判より緩い解決案が提示されますので、あっせんに応じた方が得です。

会社に落ち度はない、一切譲歩するつもりはないと考えるのでしたら、あっせんに参加しても無意味ですので、不参加の連絡をすることになります。その場合、相手が納得しなければ、裁判に訴えられる可能性があります。

一方、解決金を支払って解決したいと考えるのでしたら、参加するのが良いと思います。もし、あっせん案(解決金の金額)に納得できなければ拒否することもできます。