国民健康保険料の滞納
国民健康保険料の滞納
最近入社した従業員から相談を受けました。当社に入社する前に加入していた国民健康保険の保険料を納付しなかったため、市役所から督促状が届いたそうです。会社ができることはありますか?
会社ができることは特にありません。本人には「市役所に連絡をして、事情を説明した方が良い」と伝えてください。
督促状が届いているにもかかわらず、それを無視していると、悪質と判断されて、預金口座が差し押さえられることがあります。また、納付を怠っていると、国民健康保険の保険料に延滞金が加算されます。
市役所に現在の状況を説明して、滞納していた保険料を支払う意思があることを伝えれば、分割払いや延滞金の減額に応じてもらえることがあります。住民税を滞納していて、督促状が届いた場合も同じです。
また、市役所で国民健康保険の脱退の手続きをしていないと、保険料の納付義務が継続したままになっていますので、実際には保険料を滞納していなくても、市役所から督促状が届きます。
会社の健康保険に加入しても、自動的に国民健康保険の脱退の処理は行われません。本人が市役所で、国民健康保険の脱退の手続きをする必要があります。
通常は、次の書類を市役所に持参すれば、1.の加入日にさかのぼって国民健康保険の脱退の処理が行われます。
- 会社で加入した健康保険の被保険者証、資格確認書、資格情報のお知らせのいずれか(扶養家族がいれば扶養家族分も)
- 国民健康保険の被保険者証又は資格確認書(1.と同じ者)
- 本人を確認できる書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
本人が市役所に行けない場合は、家族が代理で手続きをすることができます。また、郵送による手続きも可能です。なお、手続きの方法によって、必要書類(コピー等)が変わる場合がありますので、事前に市役所に電話で確認をしてください。
また、適正に国民健康保険の脱退の手続きをしていても、保険料の滞納が発生することがあります。国民健康保険の保険料は、1年12ヶ月分を10回に分割して納付する形になっていますので、年度の途中で脱退したときは、月ごとに掛かる保険料と納付した保険料にずれが生じます。
そのため、国民健康保険を脱退した翌月以降に、納付義務がある保険料を再計算して調整した納付書が届くことがあります。間違って届いた納付書ではなく、実際に納付義務がある納付書です。放置していると滞納となって督促状が届きますので、不明な点がある場合は市役所に確認するべきです。
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