国高年齢者の保険料の徴収

高年齢者の保険料の徴収

雇用保険の保険料は、65歳になる年度以降は掛からないようですが、他の社会保険の保険料は何歳まで掛かるのでしょうか?

従業員の賃金から、雇用保険、厚生年金保険、健康保険、介護保険(40歳以上の従業員)の保険料を控除して、会社もそれに合わせて同程度の保険料を負担しています。何歳まで保険料が掛かるのかは、それぞれの保険制度によって異なります。

雇用保険

雇用保険法では、従業員は65歳でリタイアするものと想定されていますので、年度が始まる4月1日の時点で、64歳以上の従業員については、その4月1日以降は、雇用保険の保険料は掛かりませんでした。

しかし、雇用保険法が改定されて、2020年4月1日以降は、64歳以上の従業員についても、雇用保険料が徴収されるようになりました。雇用保険料率は、一般の従業員と同じです。

厚生年金保険

老齢厚生年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられている途中ですが、厚生年金保険の保険料は加入要件を満たしていれば、70歳になるまで徴収されます。

例えば、誕生日が9月20日とすると、9月分は掛からないで、8月分まで掛かります。会社負担分も同じです。

ただし、70歳以降も年金(在職老齢年金)は、年金月額と標準報酬月額の合計に応じて、減額又は支給停止といった調整が行われる場合があります。

手続きについては、会社は「厚生年金保険70歳以上被用者該当・不該当届」と「被保険者資格喪失届」を年金事務所(又は事務センター)に届け出ないといけません。従業員が70歳になるタイミングに合わせて、年金事務所から届出書類が郵送されることになっています。

健康保険

75歳以上の方は後期高齢者医療制度に移行しますので、75歳になった月から健康保険の保険料は掛かりません。会社負担分も同じです。

健康保険の加入資格がなくなりますので、健康保険被保険者証(本人分と被扶養者分)を添付して、「被保険者資格喪失届」を年金事務所(又は事務センター)に提出します。

介護保険

介護保険の保険料は、40歳に達した月から65歳に達した月まで徴収されます。65歳になった月から介護保険の保険料は掛かりません。会社負担分も同じです。

なお、65歳以降の介護保険料は、市区町村により年金から徴収されることになっています。会社が行う手続きは特にありません。

労災保険

労災保険の保険料は、会社が全額を負担することになっていて、従業員の賃金から控除することはありません。

労働者として雇用している間は、労災保険制度の性質上、年齢に関係なく、保険料が掛かります(労災事故が起きた場合は年齢に関係なく救済する必要がありますし、他に変わる制度がありません)。