高年齢者の保険料の負担・徴収

高年齢者の保険料の負担・徴収

65歳以降も雇用保険の保険料が掛かるようになりましたが、何歳まで負担しないといけませんか?他の社会保険の保険料も、何歳まで掛かるのでしょうか?

何歳まで保険料が掛かるのかは、それぞれの制度によって異なります。

従業員の賃金から、雇用保険、厚生年金保険、健康保険、介護保険(40歳以上の者)の保険料を控除していると思います。また、会社は労災保険の保険料も加えて、同様に保険料を負担しています。

雇用保険

以前の雇用保険法は、従業員は65歳でリタイアするものと想定されていましたので、65歳になる年度以降は、雇用保険の保険料は掛かりませんでした。

しかし、雇用保険法が改定されて、2020年以降は65歳以上の従業員についても、雇用保険料が徴収されるようになりました。なお、65歳以上で退職したときは、通常の失業給付とは異なって、高年齢求職者給付金が支給されます。

雇用保険の加入について、上限の年齢は設定されていませんので、要件を満たしていれば、加入義務があって、雇用保険料を納付する必要があります。65歳以降も、雇用保険料率は一般の従業員と同じです。

厚生年金保険

厚生年金保険については、加入要件を満たしていれば、70歳まで加入義務があって、厚生年金保険料を納付する必要があります。

例えば、誕生日が9月20日とすると、8月分まで厚生年金保険料が掛かって、9月分以降は掛かりません。会社負担分も同じです。

なお、年金(在職老齢年金)を受給する場合は、年金月額と標準報酬月額の合計に応じて、年金が減額又は支給停止されることがあります。

健康保険

健康保険については、加入要件を満たしていても、75歳以上になると後期高齢者医療制度に移行することになっています。したがって、75歳になった月から健康保険の保険料は掛かりません。会社負担分も同じです。

健康保険の加入資格がなくなりますので、「被保険者資格喪失届」を年金事務所(又は事務センター)に提出します。

介護保険

介護保険については、健康保険の加入要件を満たしていれば、40歳に達した月から65歳に達した月まで、介護保険料を負担することになっています。65歳になった月から介護保険の保険料は掛かりません。会社負担分も同じです。

65歳に達した際に、会社が行う手続きは特にありません。65歳以降は、賃金から介護保険の保険料を控除しないよう注意してください。なお、65歳以降の介護保険料は、市区町村によって年金から徴収(天引き)されます。

労災保険

労災保険の保険料は、会社が全額を負担することになっていますので、従業員の賃金から控除することはありません。

労働者として雇用している間は、労災保険という制度の性質上、年齢に関係なく、労災保険料が掛かります。労災事故が起きた場合は、年齢に関係なく救済する必要がありますし、他に変わる制度がありません。

介護保険料65歳まで→年金から徴収
厚生年金保険料70歳まで
健康保険料75歳まで→後期高齢者医療制度へ
雇用保険料上限なし
労災保険料上限なし