退職時の社会保険料の控除

退職時の社会保険料の控除

従業員が退職する予定ですが、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料の控除は、どうすれば良いでしょうか?

退職日が月末かどうかによって、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料の控除の方法が異なります。

厚生年金保険、健康保険、介護保険の保険料(社会保険料)は、1ヶ月単位で掛かります。10日在籍したからといって、1ヶ月分の社会保険料の10/30に按分されることはありません。0か100です。

社会保険料が掛かるかどうかは、その月の末日に在籍しているかどうかで判断します。その会社の賃金の締切日や支払日は関係ありません。

例えば、6月末日付で退職する従業員については、6月分の社会保険料が掛かります。6月25日付(6月末日以外)で退職する場合は、6月分の社会保険料は掛かりません。5月分の社会保険料が最後になります。

そして、当月分(6月分)の社会保険料は、翌月末日(7月末日)が納付期限となっています。そのため、当月分の社会保険料は、翌月に支払う賃金から控除している会社が一般的です。

保険料の源泉控除として、健康保険法(第167条)によって、次のように規定されています。厚生年金保険法にも同様の規定が設けられています。

事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。

会社から従業員に賃金を支払うときは、前月分の保険料を控除できることが定められています。つまり、5月に支払う賃金から、4月分の保険料を控除することが示されています。

例えば、毎月15日が締切日で、当月25日払いとしている会社で、4月1日に入社して、4月25日に支払う賃金から社会保険料を控除している場合があります。4月分から社会保険料が掛かりますので、4月25日に支払う賃金から控除する処理は間違いです。

4月分の社会保険料の納付期限は、5月末日です。当月分の社会保険料を翌月に支払う賃金から控除する場合は、4月25日が支払日であったとしても、5月25日に支払う賃金から控除を開始することになります。

一部の会社で、当月に支払う賃金から、当月分の社会保険料を控除している所もあります。賃金から控除している社会保険料は、何月分なのか(前月分か当月分か)確認する必要があります。

毎月末日が締切日で、翌月払いとしている会社では、賃金を支払う都度、社会保険料が発生して控除しますので、間違いが少ないです。

入社するときも、社会保険料の仕組みは同じです。末日に在籍していれば、その月の社会保険料が掛かりますので、例えば、4月1日から4月末日までに入社した従業員については、4月分の社会保険料が掛かります。

なお、雇用保険の保険料については、実際に支払う賃金額から算出しますので、退職日や入社日を気にする必要はありません。


社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。