共働き世帯の被扶養者(扶養家族)の追加先

共働き世帯の被扶養者(扶養家族)の追加先

当社の女性従業員が出産しました。夫婦の両方が健康保険に加入しているそうですが、どちらの扶養家族とするか、本人が自由に選択して決めるものでしょうか?

夫婦で共同して扶養している場合は、原則として、年収が高額の方の被扶養者(扶養家族)とすることになっています。

夫婦で共同して扶養している場合に、どちらの被扶養者(扶養家族)とするのか悩むことがあります。また、会社によっては、健康保険の被扶養者を有する従業員を対象にして、家族手当を支給している場合がありますので、どちらで手続きをするのかによって、世帯全体の収入が変わってきます。

健康保険法(第3条)によって、被扶養者とは、「主としてその被保険者により生計を維持するもの」とされています。

”扶養”という制度の趣旨から、基本的には年収の多い方が主として生計を維持する者となりますので、夫婦で共同して扶養している場合は年収の多い方で、被扶養者(扶養家族)の異動届の手続きを行います。第1子と第2子で振り分けるようなことは想定されていません。

なお、この場合の年収とは、今後1年間の収入の見込額のことで、過去の収入、現在の収入、将来の収入から推測することになっています。夫婦ともに収入が大きく変動する予定がない場合は、現在の標準報酬月額で比較します。

原則的には、以上のとおりですが、「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」という通達によって、年収の差額が1割以内の場合は届出によって選択できることが示されています。

そして、異動届を提出した後に年収が逆転して、被扶養者の加入先を入れ替える場合は、健康保険の空白期間が生じないように、先に年収が高額になった方で追加(該当)の手続きをして、それを確認してから、もう一方で削除(非該当)の手続きを行うことになっています。

また、夫婦の一方が国民健康保険に加入している場合も、基本的な考え方は同じです。年収の見込額を比較して、年収(所得金額)の多い方が主として生計を維持する者になります。

なお、健康保険については、被扶養者が増えても保険料は増額されませんが、国民健康保険については、加入者数に応じて保険料が増額されます。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。