両親を健康保険の扶養家族に
両親を健康保険の扶養家族に
従業員から、「両親を健康保険の扶養家族に入れられますか?」と相談を受けました。可能でしょうか?
実際に従業員が両親を扶養していて、条件を満たしている場合は、健康保険の扶養家族に入れられます。
健康保険法によって、従業員(被保険者)の父・母については、「主としてその被保険者により生計を維持するもの」に該当すれば、被扶養者と認められます。要するに、健康保険の扶養家族に入れられます。
従業員(被保険者)の収入によって生計が維持されていること(従業員が生活の面倒を見て実際に扶養していること)が条件になっていますので、父母というだけでは、被扶養者(扶養家族)とは認められません。
通達によって、認定基準が次のように定められています。
- 父・母が従業員(被保険者)と同居している場合は、父・母の年間収入が130万円未満であって、かつ、従業員の年間収入より少ない場合は、原則として被扶養者に該当します。
- 父・母が従業員(被保険者)と同居していない場合は、父・母の年間収入が130万円未満であって、かつ、従業員からの仕送り額より少ない場合は、原則として被扶養者に該当します。
同居していない場合に、仮に、父の収入が月額10万円とすると、従業員が毎月10万円を超える仕送りをしていることが条件になります。「主としてその被保険者により生計を維持するもの」となっていますので、毎月5万円を補助している程度では、扶養していることにはなりません。
父・母が60歳以上の場合は、年間収入の基準となっている“130万円未満”は“180万円未満”に読み替えます。なお、年間収入には年金も含みます。現在の収入が月額15万円であれば、年間収入は180万円になります。
ただし、この基準で判定をすると、実態とかけ離れて、社会通念上妥当性を欠くと認められる場合は、具体的な事情に照らして、異なる判定が行われることもあります。
なお、両親共に被扶養者とする場合は、父と母それぞれ個々の年間収入が基準になります。
また、同居していない場合は、「仕送りの事実と仕送り額の確認できる書類」の提出を求められますので、仕送りは銀行振り込み等、通帳等に記録が残る方法で行うようにしてください。
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