1勤務が2暦日に渡る場合の年次有給休暇の消化日数

1勤務が2暦日に渡る場合の年次有給休暇の消化日数

所定労働時間を22時から翌日6時までとしていた場合に、年次有給休暇を取得したとすると、2日(2暦日)の年次有給休暇を消化したことになるのでしょうか?

交代制で勤務している場合は、1日の年次有給休暇を消化したものとして処理をする方法が認められています。

労働基準法では、休暇や休日は原則として、0時から24時まで(暦日)を1日の単位とすることになっています。

したがって、22時から翌日6時までの勤務を対象にして、年次有給休暇を取得したときは、原則的には、24時(0時)で区切って、2日の年次有給休暇を消化することになります。

しかし、例えば、@6時から14時まで、A14時から22時まで、B22時から6時まで、24時間を3交代でローテーションしている場合に、日をまたぐBの勤務だけ2日の年次有給休暇を消化するのは不合理です。

また、B22時から6時までの夜勤が続いて、1勤務を対象として年次有給休暇を暦日で取得したとすると、「0時から6時(前の勤務)+22時から24時(対象とする勤務)」と「0時から6時(対象とする勤務)+22時から24時(後の勤務)」の休暇を取得することになります。

暦日を単位として年次有給休暇を取得すると、前後の勤務まで及びますので、年次有給休暇を希望していない前後の労働時間が中途半端になって、業務に支障が生じます。

そのため、通達によって、「交替制における2日にわたる1勤務及び常夜勤勤務者の1勤務については、当該勤務時間を含む継続24時間を1労働日として取り扱って差し支えない」と明示されています。

要するに、交代制で勤務する者、夜勤で勤務する者が2暦日に渡って勤務をするときは、始業時刻から継続24時間を1日として取り扱うことが認められています。

したがって、交代制を採用していて、22時から翌日6時までの1勤務を対象に年次有給休暇を取得したときは、1日の年次有給休暇を取得したものとして取り扱っても構いません。

22時から6時までの夜勤が続いた場合は、前の勤務の0時から6時、後の勤務の22時から24時は通常どおり、勤務することになります。

なお、通達は、「1労働日として取り扱って差し支えない」という表現ですので、そのように取り扱わなければならないものではありません。原則どおり、2労働日として取り扱う方法も可能です。

従業員にとっては、年次有給休暇の消化日数は少ない方が喜ばれますし、暦日による取得は本人の意図とも異なります。会社としても、始業時刻の22時から継続24時間を1日として取り扱う方が管理しやすいです。通達もそのような不都合が生じるケースを想定したものと考えられます。

そのため、例えば、同様に1勤務が2暦日に渡っても、16時間の隔日勤務で、同じ暦日内に前後の勤務が存在しない場合は、0時から24時まで(暦日)を1日の単位として取り扱っても特に不都合は生じませんので、原則どおり、2日で処理をすることになります。