育児休業期間中の年次有給休暇の取得

育児休業期間中の年次有給休暇の取得

育児休業中の従業員が年次有給休暇を請求したときは、会社はどのように対応すれば良いでしょうか?

育児休業期間中の日については、年次有給休暇を取得できませんので、請求は拒否することになります。

年次有給休暇とは、出勤日(労働日)の勤務を免除して、賃金を支払うという制度です。

年次有給休暇の趣旨は、労働者の心身の疲労を回復して、ゆとりのある生活を実現することですので、例えば、10日分の年次有給休暇が残っている場合に、10日分の賃金を受け取る権利があるという制度ではありません。それだけでは、心身の疲労の回復には繋がりません。

手順としては、従業員が具体的な出勤日(労働日)を指定して、年次有給休暇を請求して、その日の勤務を免除することになりますが、育児休業期間中の日は、既に出勤(労働)の義務が免除されています。

具体的な出勤日(労働日)を指定できませんので、育児休業の期間中は年次有給休暇を取得できません。育児休業の期間と年次有給休暇の取得日が重複して成立することはありません。

したがって、育児休業期間中に年次有給休暇の請求があったとしても、会社は拒否することになります。

ただし、育児休業を申し出る前であれば、出勤日(労働日)の状態ですので、年次有給休暇を請求することは可能です。その場合は、年次有給休暇の請求に応じないといけません。

また、請求した日が育児休業期間中であったとしても、育児休業から復帰した後の出勤日(労働日)については、原則的には、取得を拒否することはできません。

なお、出勤日(労働日)でなければ、年次有給休暇を取得できないという考え方は、休日、休職期間中、退職日以降の日についても当てはまります。このような日に年次有給休暇を取得することはできません。