残業(時間外労働・休日労働)をする権利

残業(時間外労働・休日労働)をする権利

従業員が残業を申し出たときは、会社は認めないといけませんか?

従業員による残業(時間外労働・休日労働)の申出を認める義務はありませんので、業務上の必要性がなければ拒否して、帰宅させてください。

会社と従業員は、次のように労働契約の関係にあります。

それぞれ義務であって権利ではありません。従業員には労働(残業)をする義務はあっても、労働(残業)をする権利はありません。仮に、従業員が自由に残業できるとすると、残業手当(割増賃金)が膨れ上がりますし、過重労働の危険が生じます。

従業員が所定労働日の所定労働時間に労働することは、契約内容として定められた事項ですが、時間外労働や休日労働は、会社の指示又は承認に基づいて行うことをルールとするべきです。

就業規則でそのように定めていれば、従業員が残業を申し出たときに、事情を確認した上で、会社としてその必要はないと判断すれば、残業の申出を拒否できます。

就業規則にそうような定めがないと、従業員が勝手に残業をしたときの取扱い(残業手当の支払い義務)が問題になりますので、時間外労働や休日労働は、会社の指示又は承認に基づいて行うことを就業規則に定めて、そのルールを徹底するようにしてください。

会社(所属長)が残業の申出を拒否したにもかかわらず、従業員が残業したときは、業務命令違反として、就業規則の懲戒処分の対象になります。ただし、軽微な違反については、初回は口頭で注意・指導をして、改善を促す方法が望ましいです。

もし、会社が残業を黙認して、賃金を支払わないと、賃金の不払いとして労働基準法違反になります。残業しない者は帰宅させることが重要です。

反対に、会社の残業命令に従わない従業員についても、業務命令違反として懲戒処分の対象になります。ただし、36協定を労働基準監督署に届け出て、就業規則に残業(時間外労働や休日労働)を命じる根拠規定を設けている必要があります。

また、時間外労働や休日労働はないという条件で採用した従業員については、その都度、本人の同意が必要で、会社が一方的に残業を命令することはできません。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。