兼業先で社会保険に加入(二以上事業所勤務届)

兼業先で社会保険に加入(二以上事業所勤務届)

兼業している従業員が、当社と兼業先の両方で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方で社会保険料を納付することになりますか?

同時に両方の会社で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方で加入手続きをして、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料を納付することになります。

パートタイマー等の短時間労働者について、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の適用範囲が徐々に拡大されています。

従業員数(厚生年金保険の加入者数)が51人以上の会社において、これらの要件を全て満たしている者は、社会保険(厚生年金保険と健康保険)に加入することが義務付けられています。

兼業しているパートタイマー等が両方の会社で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方の会社で社会保険の資格取得届を提出することになります。

また、同時に2ヶ所以上で社会保険に加入する場合は、「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)に提出する必要があります。

この届出をすることによって、両方の会社から支払われる賃金の合計金額を基準にして、社会保険料(標準報酬月額)を算出して、賃金の割合で案分した社会保険料をそれぞれの会社で納付することになります。「社会保険料を二重で支払う」というより、「賃金を合算して社会保険料を支払う」という言い方が合っていると思います。

社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料は労使折半ですので、会社も同じ額を負担します。

なお、従業員数(厚生年金保険の加入者数)が50人以下の会社については、従来どおり、次の基準が適用されますが、段階的に縮小して、全ての会社で上の加入要件が適用されることが決まっています。

一方、雇用保険については、兼業している両方の会社で加入要件を満たしているとしても、重複して加入することはできません。通常は賃金が高額の会社で雇用保険に加入します。加入しない方の会社では、雇用保険の保険料は掛かりません。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。