兼業先で社会保険に加入(二以上事業所勤務届)
兼業先で社会保険に加入(二以上事業所勤務届)
兼業している従業員が、当社と兼業先の両方で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方で社会保険料を納付することになりますか?
同時に両方の会社で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方で加入手続きをして、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料を納付することになります。
パートタイマー等の短時間労働者について、社会保険(厚生年金保険と健康保険)の適用範囲が徐々に拡大されています。
- 1週の所定労働時間が20時間以上
- 賃金が月額88,000円以上
- 雇用契約の期間が2ヶ月を超える
- 学生でない
従業員数(厚生年金保険の加入者数)が51人以上の会社において、これらの要件を全て満たしている者は、社会保険(厚生年金保険と健康保険)に加入することが義務付けられています。
兼業しているパートタイマー等が両方の会社で社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方の会社で社会保険の資格取得届を提出することになります。
また、同時に2ヶ所以上で社会保険に加入する場合は、「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)に提出する必要があります。
この届出をすることによって、両方の会社から支払われる賃金の合計金額を基準にして、社会保険料(標準報酬月額)を算出して、賃金の割合で案分した社会保険料をそれぞれの会社で納付することになります。「社会保険料を二重で支払う」というより、「賃金を合算して社会保険料を支払う」という言い方が合っていると思います。
社会保険(厚生年金保険と健康保険)の保険料は労使折半ですので、会社も同じ額を負担します。
なお、従業員数(厚生年金保険の加入者数)が50人以下の会社については、従来どおり、次の基準が適用されますが、段階的に縮小して、全ての会社で上の加入要件が適用されることが決まっています。
- 1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
- 1ヶ月間の所定労働日数が正社員の4分の3以上
一方、雇用保険については、兼業している両方の会社で加入要件を満たしているとしても、重複して加入することはできません。通常は賃金が高額の会社で雇用保険に加入します。加入しない方の会社では、雇用保険の保険料は掛かりません。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。
- 他のページも見てみる【 2分で読める労務ワンポイント 】
- 社会保険は加入しないといけないのでしょうか?
- 「社会保険と雇用保険に加入したくない」と言われたのですが...?
- 「社会保険と雇用保険に加入したい」と言われたのですが...?
- 2ヶ月以内の期間を定めて雇用する場合は、社会保険に加入しなくても良い?
- 雇用保険と社会保険の加入要件は、学生アルバイトも同じですか?
- 16歳の未成年を採用したときは、厚生年金保険に加入しないといけない?
- 入社を予定している従業員が直ぐにでも健康保険を使いたいそうなのですが...?
- 短時間正社員でも週30時間未満にすると、健康保険には加入できない?
- 兼業先でも社会保険の加入要件を満たしている場合は、両方で加入しますか?
- 二以上事業所勤務届を提出しなかったとすると、何か不都合が生じますか?

