シフト勤務の年次有給休暇の賃金

シフト勤務の年次有給休暇の賃金

当社には、シフト制で勤務をしている時間給のアルバイトがいます。日によって労働時間が異なりますが、1日の年次有給休暇に対して、賃金はいくら支払えば良いでしょうか?

年次有給休暇を取得した日について、所定労働時間勤務したとみなして賃金を支払ってください。

個々のアルバイトから都合が悪い日を確認した上で、シフト表を作成している会社では、年次有給休暇の取得は急病や急用があった場合に限られます。

そうなると、労働基準法によって、1年に5日以上の年次有給休暇を取得(消化)することが義務付けられていますが、1年間の取得日数が5日に満たないケースが考えられます。

5日に満たない場合に、5日分の賃金を支払ったとしても、5日の年次有給休暇を取得(消化)したことにはなりません。

年次有給休暇とは、出勤日の勤務を免除して(休暇を与えて)、賃金を支払うという制度ですので、賃金の支払いとセットで、実際に休暇を与える必要があります。

例えば、5時間勤務のシフトが入っている日に、時間給が1,000円のアルバイトが年次有給休暇を取得したときは、5,0000円を支払うことになります。

もし、年次有給休暇の取得日数が年5日に満たないことが予想される場合は、一旦、シフト表で具体的な出勤日と各日の所定労働時間を設定して、アルバイトにその中のどこかの日で年次有給休暇を取得するよう促してください。

また、年次有給休暇を取得した日については、上で説明したように、「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」を支払う方法が一般的ですが、労働基準法によって、「平均賃金」を支払う方法も認められています。

就業規則(賃金規程)を作成して、どの方法で支払うのか明示する必要があります。

「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」で支払う場合は、シフトが入っている日の所定労働時間によって支給額が変動しますので、所定労働時間が長い日に年次有給休暇を取得される傾向があります。

一方、「平均賃金」で支払う場合は、年次有給休暇を取得した日の所定労働時間に関係なく、一定額で支払うことになります。この方法でも、シフトを設定して、実際に休暇を与える必要があることは同じです。

更に、従業員の過半数代表者(又は過半数労働組合)と労使協定を締結したときは、健康保険の標準報酬月額の30分の1の金額で支払う方法も認められています。